和田竜著「村上海賊の娘」戦国時代にもこんな女性がいたのか?

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読書
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こんにちは、たどんです。
久しぶりに長編小説を読み堪能しました。
和田竜著「村上海賊の娘」の紹介です。

海賊

いま海賊といえば
・ 映画「パイレーツ・オブ・カリビアン」
・ 漫画「ONE PIECE(ワン・ピース)」
・ 小説「海賊とよばれた男」
でしょうか?
日本は海に囲まれた国。
昔から海賊が出没していたようです。
本作の海賊は、戦国時代、瀬戸内海を掌握していた村上水軍、実在した海賊の物語です。
海賊といっても、航行する船をだれかれかまわず襲って金品を強奪したものではなく、村上水軍と呼ばれたように、一種の海の軍隊だったのでしょう。

読んだ感想

文庫本全4巻で読みました。
2巻目あたりからページをめくる時間も惜しくなりました。
しかし、歴史小説好きの間でも評価は分かれると思います。
というのも、本作は武将ではなく海賊の娘が主人公。
戦国時代、瀬戸内海で暴れまわっていた村上海賊。
その首領の20歳の娘・景(きょう)が主人公だが、この娘が強い。
景がおしとやかなお姫様だったらあまり面白くない物語になったでしょう。
著者の作品を読んだのは「のぼうの城」に続いて2作目です。
「のぼうの城」でも強いお姫様が登場します。
作者はどうも武芸に優れた女性を描くのが得意のようです。
また、歴史小説一般に言えることでしょうが、小説の中に、現存する当時の資料の内容が記され、史実を踏まえながらストーリーが展開されているアピールをしています。
ただ、わたしはそれがあまり好きではありません。
たとえ短くても昔の文章を読むのが面倒くさい。
わたしが昔苦手だったいわゆる「古文」とでもいうんでしょうか?
資料の文章は結構飛ばして読んでます。
したがって、わたしは本当の意味での「歴史小説好き」とは言えないのかもしれません。
でも、まあ、いいではないですか。
小説は自分の好きなものを好きなように読めばよい、というのがわたしのスタンスです。

簡単なあらすじ

時は織田信長が天下統一を目指し、勢力を伸ばしていた戦国時代。
瀬戸内海の制海権を握っていたのは村上水軍。
その村上水軍の首領・村上武吉の娘・景(きょう)が主人公。
20歳。
当時では醜女(しこめ)だったようだが、現代で言えばハーフのような美人であった。
その景、武術に秀で、村上水軍の軍船に乗り、海の掟を守らない輩を取り締まる。
荒くれ者の海賊も顔負けの活躍をしていた。
あるとき、当時日本でも有数の大名であった毛利家から、大阪の本願寺に海路を使って食料を届けてほしい、という依頼があった。
本願寺は、門主や門徒たちが織田軍勢に包囲され窮地に陥っていたのだ。
毛利家の依頼を受けたことから、村上水軍や景も戦いに巻き込まれていく。

著者 和田竜

1969年生まれの小説家。
主な作品として
・ のぼうの城
・ 忍びの国
・ 小太郎の左腕
などがある。
また、主な受賞歴として
・ 第29回城戸賞
・ 第35回吉川英治文学新人賞
・ 第11回本屋大賞
がある。
上記作品中「忍びの国」は、2017年に、人気グループ嵐(あらし)のリーダー大野智君が主演で映画化されています。
ただ、わたしは予告だけしか見たことがないので批評はできません。

まとめ

最近、だんだん長い小説を読むのが億劫になってきました。
本作は文庫本全4巻。
これくらいは長編小説とはいえないのでしょう。
読み始めて面白くなってくるとあまり長さは感じなくなるのですが、文庫本とはいえ、4冊ドーンと揃っているのを見ると、最初の1冊をなかなか手に取れなくなる。
そういえば、以前、北方謙三著「水滸伝」全19巻を読んだ時は、1巻ずつ買って読んでたので、あまり抵抗なく読みすすめることができたのかもしれません。
北方謙三著「水滸伝」全19巻。正義感に燃える男達の熱き闘い。
長編小説はお好きですか?私は長い小説はあまり好きではありません。でも全19巻の北方謙三著「水滸伝」は読み始めたら夢中になります。正義感に燃える熱き男たちの戦いを描く「水滸伝」、時間をかけて読んでも決して損はない、そう思わせる小説です。
和田竜という作家、あまり多作家ではないようです。
わたしは「のぼうの城」と本作品しか読んだことがありませんが、わたしのようなシニアだけでなく、歴史小説が好きな方であれば、楽しめる作品だと思います。

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