「人生を変える読書」無期懲役囚がおすすめする本とは・・・。

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読書
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こんにちは、たどんです。
今回ご紹介するのは、美達大和著「人生を変える読書」です。
本の内容というよりも、作者やその境遇についていろいろ考えさせられた本です。

簡単な本の内容

本書は副題として、「無期懲役囚の心を揺さぶった42冊」とあります。
刑務所に在監中の無期懲役囚が、自分を向上させたい、自分を変えたい、と思っている人におすすめしたい本を紹介したものです。
ジャンルとしては
第1章 「社会性」を身につけるために
第2章 「心の支柱」を見つけるために
第3章 「愛」を感じるために
第4章 「知識」を戦力に変えるために
第5章 「命」の尊厳を知るために
第6章 「心」の成長をうながすために
第7章 子どもに読ませたい本
として、それぞれ5冊から7冊の本が紹介されています。

著者について

著者の美達大和(みたつ やまと)は、1959年(昭和34年)生まれの男性です。
もちろんペンネームで、その正体は不明です。
著者は、在日韓国人1世の父と日本人の母の間に生まれ、頭が良かったようです。
高校中退後、飲食店、金融、不動産、外車販売、学習教材販売、貸金業などを経て、二度の結婚、やくざの幹部になってから二度の殺人事件犯し、無期懲役の刑に処せられ、今も刑務所に服役中とのこと。
著者は、仮釈放を放棄、終身刑に服しているそうです。
また、刑務所の中で、死刑を免れた殺人犯の様子を見て、無期懲役廃止と死刑適用を訴えています。
本書の紹介文には、著者は「これまで数万冊を読破、今でも月に100冊以上は読む本の虫」とあります。
著者の略歴などを見ると、いろいろと疑問点が湧いてきます。

刑務所って自由に本が読めるの?

幸いなことに私は、刑務所に収監されたことがないので詳しくはわかりません。
しかし、刑務所や拘置所など施設によって若干の違いはあるものの、ある程度本は読めるようですね。
本の入手方法には
・ 施設所有の蔵書(官本)を借りる
・ 自分で注文して買う
・ 知人等に差し入れてもらう
などがあるそうです。
それにしても、今でも月に100冊以上は読む、という著者、本当にそんなに本が手に入るんだろうか?
まあ、本を執筆してるから、その印税で本を買う金はあるんだろうが、刑務所の係官がそんな頻繁に本を注文したり、世話を焼いてくれるのでしょうか?
どうも読めるんでしょうね。
というのも、有名な堀江貴文著「ネットがつながらなかったので仕方なく本を1000冊読んで考えた」(角川書店刊)という本があります。
堀江氏は2年に満たない収監中に1000冊の本を読んだ、というのですから、月にすると100冊近くになります。

「懲役」って刑務所の中で働かなくっちゃいけないのでは?

私は、懲役の刑罰というのは、強制的に働かなければならないものだと思ってました。
著者は無期懲役とのことですから、なんで原稿を書いたり読書をしたりで1日過ごせるのかな?と思ってました。
ところが、本書によれば、「無期懲役囚は工場で作業せずに、ずっと一人でいる処遇を受ければ仮釈放の対象にはなりません。」とのことです。
つまり、無期懲役といえども仮釈放と言っていわゆる「模範囚」であれば、刑期が満了しなくてもシャバに出れる。
刑務所を出所する、という利益を捨てて、一生刑務所の中で暮らそう、と思えば仮釈放なんていらない、つまり働かなくても(作業なんかしなくても)かまわない、ということなんですね。
知りませんでした。

2人も人を殺して読書三昧の生活、おかしくない?

普通、2人も人を殺したら死刑になるんじゃないの、と思われる方も多いと思います。
ところが、日本の刑法、刑罰というのは、犯罪者に非常に寛大です。
見ず知らずの人に対し、強盗殺人を犯した場合、死刑という刑罰も選択肢に加わりますが、単なる殺人では、一人殺したぐらいでは先ず死刑にはなりません。
ましてや著者の犯罪はどうもヤクザ同士の殺人のようです。
ヤクザ同士のケンカで人を殺し、死刑になったというのも聞いたことがありません。
したがって、著者の場合も2人を殺しているようですが、無期懲役というのもうなずけます。
「読書に最適な環境、それは刑務所だ!」という話を聞いたことがあります。
シャネルズのメンバーで、覚醒剤で何度も捕まっている田代まさし(マーシー)も、西村博之(ひろゆき)氏との対談で、「刑務所は、 読書家には最適の環境」と言っています。
たしかに自由がない代わりに電話や仕事など雑音・雑事がなにもない。
そのとおりかもしれません。
ただ私は御免こうむりますが・・・。

本書を読んで購入した本

本書で紹介されたおすすめ本のうち、私も何冊か購入しました。
いくつかあげると
・ 「ジャン・クリストフ」ロマン・ローラン著
・ 「七帝柔道記」増田俊也著
・ 「一瞬の風になれ」佐藤多佳子著
などです。
ただ、どの本もまだ読んでおらず、未読のまま本棚に積んであります。

まとめ

私は、本書のような書評本は好きで、購入の参考にします。
当ブログでも「定年後に読みたい文庫100冊」勢古浩爾著を紹介したりしています。
一生刑務所で暮らす覚悟を決めた著者がすすめる本とはどんなものなのか、興味がわきませんか?
まだ読んでませんが、同じ著者(美達大和)の「死刑絶対肯定論」という新書も本棚に積んであります。
これも読んだらまた紹介しますね。

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