「知的生産の技術」梅棹忠夫著。若い人に読んで欲しい1冊です。

読書
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こんにちは、たどんです。
今回は、梅棹忠夫著「知的生産の技術」の紹介です。

「知的」という言葉の響きが心地良い

「知的生産の技術」が岩波新書から出版されたのは1969年。
もう半世紀(50年)も前のことになります。
出版後ベストセラーとなりましたが、今でも読みつがれている本です。
私が本書を読んだのは大学生の時でした。
1976年に刊行された渡部昇一著「知的生活の方法」とほぼ同時期に読みました。
2冊の新書を読んで、「知的」という言葉の響きが心地良かったのを覚えています。

「知的生産の技術」の読みどころ

ダ・ヴィンチの手帳

中学生になった時に配られた「生徒手帳」。
これがなんか大人になったような気分で、もう嬉しくて嬉しくて、つまらないことでもこの「生徒手帳」によくメモをしていました。
本書で、著者やあのレオナルド・ダ・ヴィンチも「メモ魔」であった、ということを知りました。
著者は、メモをこまめのとるのは良いが、とりっぱなしでは何の意味もない、と説きます。
ガクッ!
私がまさしくそれでした。
メモをとっただけで満足してたのです。

ノートからカードへ

私は、中学までは普通のノート、高校・大学ではルーズリーフを使っていました。
私のまわりもほとんどの人がルーズリーフを使っていました。
科目数が増えるとノートだとわけが分かんなくなっちゃうんですよね。
しかし、著者は、ノートからカードへ、と提唱します。
1枚1枚に日付とタイトルを付けて1枚1項目で書いていく。
なんか面倒くさいなあ、と思いつつも、試してみることにしました。

京大式カード

「京大式カード」というのは、著者が考案したB6版の厚手のカードです。
買いましたよ。大量に。500枚ほど。
そう、私は先ず形から入るんです。
カードだけではありません。
カード収納ボックスも買ってしまいました。
そこで、授業の内容はもちろん、ちょこっととったメモも、後で見返すこともありそうなものは、京大式カードに転記するようにしました。
当然、長続きせず、すぐ挫折しました。
大量に余った京大式カードと収納ボックス、どうすればいいんだ。
しばらくすると、京大式カードは自宅でのメモ用紙として、また、自分の机に置くコーヒーカップのコースターとして再利用するようになりました。
さらにカード収納ボックスは、CDや筆記用具の収納箱になりました。
結構使いみちはあるもんです。

読みどころはまだまだあるが・・・

私のささいなポリシーですが、書籍紹介では、書籍の内容は最低限にとどめ、私の個人的な感想や当該書籍に関連する話題を盛り込みたい。
読書ブログの中には、その本のあらすじや内容を事細かに書いてあるものもあります。
私は、そういったブログを読むともうお腹が一杯になってしまって、その紹介されている本を読む意欲が半減してしまうのです。
これは、小説に限らず、本書のような自己啓発本でも同じです。
したがって、本書の読みどころはまだまだあるのですが、上記内容程度にとどめさせていただきます。

今の時代にはそぐわない記述もある

本書が刊行された当時、まだパソコンは一般的ではありませんでした。
著者は、ペンからタイプライターへ移行すべき、と提唱しています。
こういうところは当時の時代背景を理解した上で流し読みすれば良いと思います。
実際著者は、日記や読書記録もカードに書く、と言っていますが、私はパソコンが普及してからは、日記、読書記録、は後で検索しやすいようにパソコンで、今ではスケジュール管理もデジタルで行っています。

それでも私が本書をおすすめする理由

大学生で卒業も間近に迫り、就職をどうするか、自分の人生、将来についていろいろ思い悩んでいました。
本書を読んだのはこんな時期でした。
まだパソコンなど普及してない時代に、メモに書きつけた思いつきをいかに活用していくか、そんな方法論が書かれた書籍などそれまで読んだことがなく、私にとって本書は新鮮でした。
自分の就職、人生など、やらねばならぬことをメモし、カード化し、優先順位をつけたりしたことにより、悩みが解消され、自分の進むべき道が少しずつ明確になってきたような気がします。
確かに本書の内容は、もう古くなっている箇所もあります。
でも、知的生産に関する考え方だけでなく、知的な人生を送っていくための、ささいな具体例が随所に認められ、今でもまだ参考になる部分もかなりあると思います。
読めば未だに読みつがれている理由がおわかりになると思います。

できれば2冊読んで欲しい

それは渡部昇一著「知的生活の方法」(講談社現代新書)です。
私は、梅棹忠夫著「知的生産の技術」によって、既存の知識や情報を活用して新たな知識や情報を生産していくことの重要性を学びました。
そして、渡部昇一著「知的生活の方法」によって、知的生活を送るうえで環境づくり(つまり書斎ですが)がいかに大切か、を学びました。
渡部昇一著「知的生活の方法」についてはまたあらためて紹介したいと思います。
2冊読むことによって、知的生産、知的生活、に対する憧れがますます増幅していくと思います。

まとめ

私と同世代、もしくは上の世代の方で、当ブログをお読みになっている方であれば、本書を読んでおられる方が多いと思います。
したがって、この本は、どちらかといえばシニアというより若い世代の方に向けて書いたつもりです。
知的生活に対するあこがれを持ち続け、いまだなし得ていない情けない私ではありますが、夢や憧れを持たない人よりもまだマシじゃないか。
私は今後も読書をメインとしたインプット、当ブログでのアウトプットをコツコツと続けたいと思っています。
一応参考まで「知的生活の方法」渡部昇一著についてもリンクを貼っておきます。

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