川中大樹著「私刑」タイトルと表紙絵のインパクトがすごい!

読書
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こんにちは、たどんです。
コロナウィルスの感染拡大が一向に収まる気配のない昨今。
皆さんはいかがお過ごしでしょうか?
わたしは、仕事と日用品の買い出し以外は自粛の日々。
だいぶ前から自粛疲れが出てきて、何に対してもやる気が起きず、ブログの更新もサボりがちです。
そんな中、細々と続けているのが読書です。
今回は本の紹介をしたいと思います。

「私刑(しけい)」川中大樹著

仕事帰りに立ち寄った書店で、たまたま手にとった本です。
「私刑(しけい)」というタイトルもさることながら、本の表紙の絵が結構刺激的なものでした。
自粛疲れに加え、ただただ暑い毎日ですが、あまり難しく考える必要もなく、サラッと読めました。
個人的にはまあまあ面白かった。
そこで簡単な本の内容から。

簡単な内容

主人公は佐倉真理子、神奈川県警藤沢南署の女性刑事。
ある日、管内で体中を切り刻まれた女性の惨殺死体が発見された。
捜査を担当することになった主人公が、ペアを組んだ老練な捜査一課の刑事と事件の真相に迫っていく。
事件の発生は1件にとどまらず、その後も同種の殺人事件が発生する。
復讐を目的とした、過去に発生した猟奇的な連続殺人事件「アラストル事件」の再現なのか。
主人公の幼馴染で、テレビのニュースキャスター水瀬智世の協力も得て犯人を追い詰める。

感想

わたしはもともと復讐モノの小説やテレビドラマが好きです。
当ブログでも紹介してますが、時代劇でいえば「必殺仕掛人」、小説でいえば「燃える男」などが復讐モノの作品といえるでしょう。
「必殺仕置人」中村主水見参。棺桶の錠(沖雅也)がカッコいいんです。
必殺シリーズ第2弾。「必殺仕置人」見たことありますか?いよいよ中村主水登場です。必殺シリーズの仕事人の中でも、沖雅也演じる棺桶の錠、私のイチ押しです。
「燃える男」A.J.クィネル著。男なら是非読みたい復讐劇。
小説「燃える男」をご存知ですか?外国の冒険小説の中で、常にトップクラスの人気を誇っているA.J.クィネルの、元傭兵クリーシィシリーズ第1作です。殺された少女の復讐のため、たった一人で巨大なマフィア組織に挑む、男なら是非読みたい1冊です。
わたしたちが住んでいる日本という国は、治安が良く、犯罪が少ない、世界に誇れる国だと思います。
しかしそれでも犯罪は起こります。
日本では、犯罪被害にあった場合、犯人に対して復讐すること、つまり私人による仕返しは禁止されています。
わたしたちが危害を加えられた場合、犯人には国が刑罰を与えるので犯人がいくら憎くても自ら罰を与えてはいけない、というわけです。
たしかにやられたらやり返すことを認めてしまったら、世の中は復讐(犯罪)の連鎖となり、それこそ収拾がつかなくなってしまうでしょう。
一般論としてはわかります。
ただ、もし自分や自分の家族が犯罪被害にあってしまった場合はどうか。
国がなんとかしてくれるから我慢しろ、と言われて自分の気持がおさまるのか。
わたしには自信がありません。
でもわたしにはやり返す勇気もありません。
情けない男です。
そんなわたしだから復讐モノのストーリーに憧れるのかもしれません。
本書が復讐モノの物語なのか、単なる異常者による連続殺人なのか、読んでからのお楽しみということにしておきましょう。

著者川中大樹

わたしは著者の作品は初めてです。
調べたら、2012年に、「サンパギータ」という小説で、第15回日本ミステリー文学大賞新人賞を受賞しているそうです。
しかし著作はそれほど多くないようで、いつか「サンパギータ」も読んでみたいと思っています。

余談(被害者の権利について)

日本では憲法などで、被疑者(犯罪者等)の権利については手厚いが、被害者の権利についてはどちらかといえばないがしろにされてきました。
1997年、日本の第一東京弁護士会会長や日本弁護士連合会副会長などを歴任した「岡村勲」という人権派弁護士の奥さんが、岡村弁護士の仕事上の逆恨みから殺害される、という事件がありました。
また、1999年、光市母子殺害事件という有名な犯罪が発生。
岡村弁護士は、その遺族である本村洋らとともに、2001年に、全国犯罪被害者の会(あすの会)を設立しました。
以後、同会は犯罪被害者の権利拡大のため活動し、少しずつではありますが被害者の権利も向上してきています。
岡村弁護士も本村さんも、犯人が死刑になることを希望していましたが、岡村弁護士の奥さんを殺害した犯人は無期懲役が確定し、本村さんの奥さんと娘さんを殺害した犯人は死刑が確定したものの、今現在まだ刑は執行されてないと思います。
今の日本では、復讐や仕返しをすることは許されません。
それはまあいいでしょう。
死刑制度を廃止すべきだ、という主張があります。
「冤罪(えんざい)」を考えた上での主張でしょう。
しかし、犯罪者を殺したいほど憎んでいる人は、どうやってその恨みを晴らせばよいのでしょう。
わたしは、殺意を持って他人を殺害した犯人はすべて死刑にすべき、というつもりはありません。
ただ、上記事件のように、理不尽に、殺意を持って、全くのアカの他人を殺害した人は極刑にすべき、というのがわたしの考えです。
自分の大切な家族が被害にあった場合、岡村弁護士や本村さんのように平静を保っていられるか、わたしには自信がありません。

まとめ

たまたま手にとった本ではありますが、わたしにとってはなかなか面白い本でした。
ただ、当然好き嫌いはあると思います。
もし少しでも興味を持たれた方がいらしたらチェックしてみてください。
 

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