こんにちは、たどんです。
今回ご紹介するのは、勢古浩爾著「定年後のリアル」です。
「趣味もない。金もない。定年後、どう過ごせばいいんだあ〜!」
そんな方におすすめです。
紹介すべきか否か迷ったが・・・
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今回ご紹介する本は、エッセイ集というか、それともハウツウ本のジャンルに入るのか。
血湧き肉躍る小説の部類ではありません。
当ブログで紹介すべきか悩みました。
しかし、当ブログの目的は、皆さんに少しでも参考になるような情報を提供することです。
自分が読んで、これは皆さんにおすすめしたいな、と思える本ならば、ジャンルなどに制約や縛りを設けるべきでない。
そこで、今後も、ジャンルを問わず、どんどんおすすめ本を紹介していきたいと思っています。
巷にあふれる定年本
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50歳前後になると、「定年」という2文字が目の前にチラついてきます。
こりゃ他人事じゃないぞ。
私もそうでした。
本屋さんを覗いてみると、「定年」関連本がズラッと並んでいます。
たくさんの定年本が刊行されているということは、それだけ需要がある、購入する人が多い、ということですよね。
私も出版社の商法に乗せられてしまった一人です。
だいぶ買いました。
今考えると、こういう本を買う人というのは
・ 特に趣味もない
・ 金もない
・ 健康に不安がある
という方なんですね。
「定年」関連本フリーク
私の読書記録を見て、定年に関する本を検索してみると
・ 「私の定年後」岩波書店編集部
・ 「定年後を真剣に考えなさい」木村實著 河出夢新書
・ 「定年後に1から始めて一流学者になる方法」鷲田小彌太著 青春出版社
・ 「知的余生の方法」渡部昇一著 新潮新書
・ 「55歳からの一番楽しい人生の見つけ方」川北義則著 知的生きかた文庫
・ 「定年後を極める」日本経済新聞マネー&ライフ取材班 日本経済新聞社
・ 「帰宅の時代」林望著 新潮文庫
・ 「定年までに知らないとヤバいお金の話」岡崎充輝著 彩図社
・ 「定年ですよ」日経ヴェリタス編集部 集英社文庫
・ 「定年後 年金制」岩崎日出俊著 祥伝社新書
・ 「60歳からの人生の整理学」轡田隆史著 知的生きかた文庫
・ 「定年と読書」鷲田小彌太著 文芸社文庫
・ 「シニアの読書生活」鷲田小彌太著 文芸社文庫
・ 「定年ゴジラ」重松清著 講談社文庫
・ 「退職金は何もしないと消えていく」野尻哲史著 講談社+α文庫
・ 「退職金貧乏」塚崎公義著 祥伝社新書
・ 「定年後年金前」岩崎日出俊著 祥伝社新書
・ 「定年後の勉強法」和田秀樹著 ちくま新書
・ 「60歳からの生き方再設計」矢部武著 新潮新書
ざっと以上の本が検索に引っかかりました。
その他、本書の著者勢古浩爾氏の著作はほとんど読んでいますが省略しています。
しかし、同じような本をよく読んでますね。
まさしく、定年本フリークですね。
良くいえば、来たるべき定年に備え、万全の準備を怠らない。
でも、読み終わってみると、頭の中にはほとんど何も残ってません。
人はなぜ「定年」関連本を読むのか
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この手の本に飛びつくのは、定年後の「お金」「健康」「生きがい」に不安を抱えた人だと思います。
まさに私がそうでした。
お金の蓄えも十分あって、健康にも自信があり、好きな趣味や生きがいもある。
そんな人は定年後もなんの心配もなく、こんな本を読む必要がありませんよね。
私のような凡人は、これらの本を読んで、定年に向けての備え、定年後の過ごし方、などについてためになるヒントが欲しいんです。
こうした方が良い、こうすべきだ、というアドバイスが欲しい。
でも、ちょっと待ってください。
お金の専門家、大学の先生、有名人で生きがいを持って余生を謳歌している人、そのような人たちが、老後を幸せに過ごすための指南書を書かれています。
私の周囲を見回すと、残念ながら、その指南書にあるような充実した老後生活を送っている人はほとんどいません。
つまり、巷にあふれる定年本は、定年後の理想の姿を描いたものなんではないでしょうか。
では、なぜ勢古浩爾著「定年後のリアル」なのか
本書の内容
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著者は、いわゆる中小企業を退職後、再就職をせず、執筆業をしながらテレビと読書、という生活を送っている。
収入といえば、月にして十数万円の年金と本の印税。
印税と言っても、著者の本が大ベストセラーになった、という話を聞いたことはない。
したがって、決して裕福とはいえない生活であろう。
趣味と言えるものはなく、強いていえばテレビと読書。
健康については、1年に1度の健康診断も、もう何年も行ってないようである。
きっと何か病気を指摘されるのが怖いからであろう。
この気持は私にもわかる。
でも煙草はやめられない。(この弱さがわたしは好きなんだなあ。)
上にあげたような、巷にあふれる定年関連本に批判を加えながら、自分の老後の過ごし方は自分で好きなように生きるべき。
自分の実際の生活をもとに、筆者の定年後の余生の過ごし方を淡々と述べる、日記風のエッセイ集とも言える本である。
感想
私は、著者の文章が面白く、好きです。
決して気取らず、かといって投げやりでもない。
既成の定年関連本は、たしかに
・ 早いうちから老後資金を貯めろ
・ 健康管理をしっかり
・ 趣味や生きがいを持て
などと、もっともなことが書かれています。
でも、それができないのが私たち凡人なんです。
高尚な指南書を何冊も読みましたが、読んだだけ。
私は、著者よりも何年か若い世代で、著者のいう昭和の時代の話なんかもよくわかります。
また、私の現状は
・ 老後資金は住宅ローンの返済でほとんどない
・ シニアになって、ひどい腰痛を経験するまで、健康管理なんて全く考えなかった
・ 生きがいなんて特になく、趣味といえば読書とネットサーフィンぐらい
・ 著者は執筆、私はブログ
・ 老後の過ごし方なんて、人それぞれでいいじゃないか
・ 著者と同じく埼玉県民
こんな状況で、著者と環境や考え方が似ているようです。
だから余計に著者に親近感を感じるのかもしれません。
本書は、悪くいえば、老後に不安を抱える人に、きちんとしたアドバイスをするわけではありません。
自分の生きたいように生きればいい、という考えです。
反面、良くいえば、実に自然体に、正直な気持ちを書いてあると思います。
なんというか、本書を読むとホッとする、老後をそんなに難しく考えなくてもいいんだ、と思えてきます。
定年後の過ごし方についての私見
地域との密接な交流を図れなくてもいいじゃないか
各人の性格にもよると思います。
私は、地域住民に簡単に溶け込めるようなフランクな人間ではありません。
ご近所さんと挨拶するのが精一杯です。
定年退職後4年以上過ぎました。
それでも特に困ってはいません。
毎日朝から図書館通いしてもいいじゃないか
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よく、定年後の方と思われる人が、
・ 図書館に毎日、開店時間に並び、新聞などを丹念に読んでいる
・ スポーツジムなどで日がな一日過ごしている
・ Macやイオンなどショッピングモールでボーッと過ごしている
そうです。
いいじゃないですか。
私なんか、自称インドア派、すなわち外に出るのが面倒くさい派、です。
私に比べれば、実に定年後の有り余る時間を有効に過ごしていると思います。
知り合いに、定年後も、自分のスケジュール帳に予定が埋まっているのを喜んでいる人がいます。
私は、スケジュール帳なんて、現役のときだけで充分。
朝起きて、「今日は何をしようかな?」そんな生活に憧れます。
趣味なんかなくてもいいじゃないか
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私は高尚な趣味はありません。
読書は好きですが、昔ある上司から「読書は趣味のうちには入らない」と言われたことがあります。
趣味なんて堅苦しいものではなく、好きなことがあればやる、これで充分。
友だちなんかいなくてもいいじゃないか
定年後は、少なくてもいいから、友だち・親友との付き合いを大事にしろ、と言われます。
私には、今、親しくしている友だちはほとんどいません。
付き合うのが面倒くさいんです。
それなら家で、一人で好きなことをしてるほうがいい。
来年の年賀状には、「今回の年賀状を持って年始の挨拶は最後とさせていただきます。」と書く予定です。
でもこれは人にはすすめません。
人それぞれです。
まとめ
ダラダラと書いてしまいました。
数多く読んできた定年関連本。
私は本書が一番好きです。
「あ〜、自分の思うように生きればいいんだ。」
読むとなぜかホッとします。
ただ、本書を読んでも、「定年後はこうすべき」というありがたい指針など得られません。
金もない、健康も不安、趣味もない、そんな悩みを持つ人に、是非オススメしたい1冊です。
人生、なるようにしかならない。
気持ちがフーっと楽になりますよ。
勢古浩爾氏については、もしよろしければ次の記事も覗いてみてください。
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勢古浩爾著「定年後に読みたい文庫100冊」(草思社文庫)
勢古浩爾著「定年後に読みたい文庫100冊」。定年後は面白い本だけ読みたい。でも何を読んだらいいのかわからない。そんな人にオススメの1冊です。本書は格好の水先案内人になってくれるでしょう。