[読まなきゃ損!]「凶犯」中国にもこんな小説があったんだ。

読書
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こんにちは、たどんです。
今回は、中国人作家張平氏によるアクション小説「凶犯」の紹介です。
以前当ブログでも紹介した「定年後に読みたい文庫100冊」。
この本で紹介されていたので買って読んでみました。
結論。
今度別の張平の著作も読んでみたいと思います。

簡単なあらすじ

現代中国の内陸部にある国有林。
ここに派遣された傷痍軍人の李狗子(リー・ゴウズ)。
与えられた国有林の監視の仕事を忠実に実行しようとする、生真面目で、誇り高い李狗子。
ところが、彼が目にしたものは。
国有林が違法に伐採され、売られていた。
そして、お金と権力の前に見て見ぬふりの村人たち。
地域ぐるみの違法行為に頑然と立ち向かった李狗子であったが、そんな主人公を心良く思わない村人たちから暴行を受け、瀕死の重傷を負わされる。
ここから主人公の報復が開始される。

中国の小説といえば

中国の小説といえば、水滸伝、三国志、などが有名ですね。
いずれも中国の戦国時代当時の時代小説です。
私も小さいころから中国の時代小説を読み、広大な荒野を駆け巡る英雄たちの活躍に胸おどらせたものです。
しかし「凶犯」は、現代版のアクション小説です。
私は、当ブログでも紹介した「定年後に読みたい文庫100冊」という本で、著者の勢古浩爾氏が推薦していたため、買って読んでみました。
人はそれぞれ好みの違いがあり、勢古浩爾氏が推薦する本の中でも私に合わないものはあります。
でも本書は、なかなか面白い。
中国のアクション小説にもこんな現代版があったのか、全く知りませんでした。

「凶犯」の読みどころ

「凶犯」は実際に起きた事件をもとに書かれたもの、とのことです。
アクション小説とはいっても、バッタバッタと相手をなぎ倒すようなスーパーヒーローというわけではありません。
ストーリー展開としては、前に当ブログでも紹介した「一人だけの軍隊」に似ているかもしれません。
でも主人公は、ランボーのようにカッコイイものではなく、リンチ暴行を受け、ズタズタボロボロにされ、地べたをはいずりながら敵に迫っていく。
足に障害をおった傷痍軍人ですが、射撃の腕前だけは神レベル。
不屈の闘志で敵に立ち向かう主人公についつい肩入れしたくなります。
そんな主人公にも泣き所が、ワガママで自分勝手な妻です。
妻にはケチョンケチョンにされても子供の成長を願う、私には真似できません。
これは小説だからなのか、中国の女性は強い。
確かに、いま日本には中国人の旅行客?が溢れかえっており、道行く中国人の女性の声の大きいこと大きいこと。
実際中国では、女性は強いんでしょうね。

中国でもこんな小説が出版されるんだ・・・

中国は共産党の一党独裁の国です。
中国政府はいつも腐敗撲滅をスローガンに掲げています。
ということは、それだけ腐敗が多いということでしょう。
また、表現の自由にも制約が多いと聞きます。
「凶犯」は、アクションものの小説ですが、副テーマとして、田舎町にまで腐敗が横行しているサマを描いています
よく出版が制約されなかったな、と不思議です。

作者張平について

ウィキペディアによれば、張平は小説家でもあり政治家でもある。
また中国政府から、中国国家一級作家に認定されているそうです。
その張平だからこそ、中国の田舎町にまで蔓延した「腐敗」を背景とした小説を書き、出版できたのでしょう。
張平の代表作として、「抉擇」「天網」「凶犯」などがあるそうですが、「定年後に読みたい文庫100冊」の勢古浩爾氏は、「十面埋伏」を推しています。
もちろん読んでみたいと思います。
張平は、私と同年代の1953年生まれ、まだ健在のようです。
新しい作品をどんどん発表してほしいものです。

まとめ

今回「凶犯」を読んでつくづく思いました。
誰でもというわけではありませんが、この書評家は自分と好みが合うと思ったら、その人がすすめる本は読んでみる。
すると新しい発見があるんですね。
しかし、勢古浩爾氏や書評YouTuber、各種文学賞受賞作、などで気になった本をついつい買ってしまい、今現在、未読本が50冊以上あります。
もうしばらくは本を買いません。
さあ、今日も読書、読書。

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