こんにちは、たどんです。
今回は、急に読み直したくなって再読した本の紹介です。
再読のきっかけ
古希を目前にひかえ、身体の老化が顕著になってきたためか、人間ドック(健康診断)を受けると、いくつかの再検査を指摘されるようになってきました。
わたしの身体はもうそんなに持たないのでは?
などと弱気な考えにとらわれるようになってきました。
そんな時
過去や未来ではなく今を真剣に生きる
というアドラーの教えが頭に浮かぶようになってきました。
そして、もう何年も前に読んだアドラーの思想にもとづく2冊の本を再読することにしたのです。
嫌われる勇気
本書は2013年に刊行され、大ベストセラーとなりました。
アルフレッド・アドラーの名を日本に知らしめた名著です。
わたしは刊行後まもなく、タイトルに惹かれて買いました。
最初に読んだ感想
早速読んでみると、本書は悩み多き青年と哲人(哲学者)との対話形式で物語がすすんでいき、とても読みやすい。
「人間の悩みは、すべて対人関係の悩みである」。これはアドラー心理学の根底に流れる概念です。
(同書・71ページ)
全く同感です。
そして、項目でいうと
・ 劣等感は、主観的な思い込み(同書・73ページ)
・ お前の顔を気にしているのはお前だけ(同書・94ページ)
・ 「いま、ここ」に強烈なスポットライトを当てよ(同書・270ページ)
など、共感できる記述が多い。
ただ、共感できる記述ばかりではありません。
アドラーはトラウマという概念を否定する。
また、子育てや部下の育成という場面では「叱ってはいけない、ほめてもいけない」、自らの力で課題に立ち向かっていけるように働きかける、という。
この部分にはどうしても納得できませんでした。
わたしは、トラウマはありうると思いますし、ほめて育てることは非常に大切だと考えます。
再読した感想
やはり良い本です。
最初に読んで共感を覚えたところもかなり忘れているところがありました。
だんだん身体の老化を痛感してきた昨今、未来のことが心配になってきましたが、今、この一瞬一瞬を真剣に丁寧に楽しく生きればよい。
気持ちが楽になりました。
幸せになる勇気
「嫌われる勇気」から三年たった2016年に、続編とも言える本書が刊行されました。
本書も前作と同様、青年と哲人との対話形式で物語がすすんでいく。
ただ、前作から3年たち、大学図書館の司書をしていた青年は中学校の教師となっていた。
生徒に対し、叱ることなく、ほめることもなく接した結果、誰も青年の言うことを聞かなくなり、結局叱り、ほめることに方針変更した。
アドラー思想を捨てる覚悟で哲人のもとを再訪したという。
最初に読んだ感想
人が幸福になるためにはアドラー心理学をどう実践すれば良いのか、その方策について書かれた本。
前作「嫌われる勇気」のインパクトが強いため、正直言って印象が薄い本。
今ひとつ納得しかねる部分としては
教師である青年が生徒たちと築くべき関係は「交友」です。
(同書・169ページ)
叱らず、ほめず、生徒の自分と対等の関係として接する。
言葉は簡単ですが、ちょっと首を傾げざるを得ない。
わたしは多くの方と同じく、やはりほめて育てるのが一番ではないかと思っています。
共感を覚える部分としては
自立とは、「わたし」からの脱却である
(同書・240ページ)
愛とは「ふたりで成し遂げる課題」であり、〜中略〜「わたしたち」の幸せを追い求めなければならない。
(同書・246ページ)
自分自身のことを考えた場合、わたしは「自分が幸せになりたい」と自己中心的であったことを痛感しました。
これからは、常に妻とセットで「わたしたち」で幸せになる道を歩んでいこうと思います。
再読した感想
生徒の指導に悩む青年教師、その悩みは解決されるのだろうか?
気になるところではあるが、その結末はわからない。
今回再読して、新たに
「大切なのは、なにが与えられているかではなく、与えられたものをどう使うかである」
(同書・199ページ)
という箇所が目につきました。
人間は、年をとればとるほどできないことが多くなる。
あれもできなくなった、これもできなくなったと悲観するよりも、まだこれができると前向きに考える。
そして、今できることをどのように活用していくかを考えようとあらためて思いました。
まとめ
名著というとまず古典が頭に浮かびます。
でもわたしは、古かろうが新しかろうが、読んだ時に自分に刺さるものがある本はみんな名著だと思っています。
また、ベストセラーが名著、ということもありません。
しかし、ベストセラーになった本というのは多くの人が認めた本ということ。
読む価値あり、ですね。