こんにちは、たどんです。
必殺シリーズ第2弾。
いよいよ中村主水の登場です。
「必殺仕置人」中村主水見参。棺桶の錠(沖雅也)がカッコいいんです。
「必殺仕置人(ひっさつしおきにん)」は、昭和48年(1973年)に、全26話で放送された時代劇です。
私は高校生でした。
「必殺仕掛人」に続く必殺シリーズの第2弾で、藤田まこと扮する中村主水がここから登場します。
では一体「必殺仕置人」とはどんな時代劇なんでしょう。
「必殺仕置人」の簡単なあらすじ
第1弾の「必殺仕掛人」では、殺しの請負を業とする、山村聡演じる元締めがいました。
でも、第2弾の「必殺仕置人」では、元締めはおらず、依頼を受けた仕置人たちが、話し合ってはらせぬ恨みを晴らしていく、という展開です。
必殺シリーズの後半では、中村主水が元締めに近い存在になっていきますが、「必殺仕置人」では、まだ中村主水も主役というわけではありません。
どちらかといえば、主役は山崎努と沖雅也という感じです。
いつの世も同じですが、頼りないお役人ではどうすることもできない、弱者である庶民の恨み、これを仕置人がお金をもらって晴らしていく、我々一般ピープルには拍手喝采の物語です。
別に殺し屋を礼賛するわけではありませんが、仕置人たちが悪い奴らをやっつけてくれる、スカッとするではありませんか。
「必殺仕置人」の配役
中村主水〜藤田まこと
ご存知のように、うだつの上がらない奉行所の同心。
一昔前まではこういう人を「昼行灯(ひるあんどん)」と読んでいた。
今でいう「窓際族」ということになるか。
しかし、中村主水の真の姿は違っていた。
剣の腕はかなりのもので、頭脳派。
仕置人たちは彼のことを「八丁堀」という。
その後の必殺シリーズでもこの「八丁堀」というニックネームが使われる。
「八丁堀」って今でもあるの?
今でも東京には「八丁堀」という地名や駅がある。
東京都中央区八丁堀には、江戸時代、江戸町奉行配下の与力・同心達の屋敷があった。
中村主水もこの「八丁堀」に住んでいるという設定なのであろう。
なお、「八丁堀」という駅は、東京メトロ日比谷線、JR東日本京葉線の2つの線が利用している。
現在の「八丁堀」はオフィスビルが立ち並び、朝晩会社員などが多く利用している
念仏の鉄〜山崎努
念仏の鉄は、元僧侶の骨接ぎ、今でいう接骨師か指圧師でしょうか。
「必殺仕掛人」の藤枝梅安は、針を使いますが、念仏の鉄は主に指を使います。
相手の関節を外したりするときにレントゲン写真を使ったのも斬新でした。
また、自由奔放で女好きという役柄を、山崎努が見事に演じていました。
山崎努という役者、「必殺仕置人」を見るまでは知りませんでした。
棺桶の錠〜沖雅也
職業は棺桶屋という設定ですが、当時の棺桶(かんおけ)というのは樽を大きくしたような形、本当に棺桶屋という職業があったのか?
まあそんなことはどうでもいいんです。
この棺桶の錠、黙々と棺桶を作るニヒルな設定、その役柄が沖雅也にピッタリなんです。
今でいう、いわゆる二枚目、カッコイイ。
そして、ただの棺桶屋が殺しの場面になると一転、これまたさらにニヒルな殺し屋になるんです。
そして、殺しの武器である、小さな槍のようなものを柄の部分に組み立てる、その際に、音響効果を使っているのでしょうが、キリキリとネジを回すような音、またこれがいいんです。
私は一度見て、その格好良さに憧れ、沖雅也扮する棺桶の錠が好きになりました。
とにかくカッコいい。
中村せん〜菅井きん
中村主水の義理の母。つまり奥さんのお母さん。
この菅井きんが中村主水を呼ぶときの「婿殿(むこどの)」。
これ、流行りました。
あまり本題とは関係ありませんが、最近LINEスタンプで必殺仕事人シリーズが出て、その中に、菅井きんの「婿殿」のスタンプがあったので、思わず買ってしまいました。
ちなみに我が家にも婿殿が一人おります。
そりゃモー大切にしていますよ。
なんてたって大事な婿殿ですから。
中村りつ〜白木万理
中村主水の奥さん。中村せんの娘。
中村主水は婿養子なので、どちらかといえば、この母娘のほうが立場的にも強いんですね。
でも内心では中村主水に惚れている。
難しい役柄をうまく演じています。
鉄砲玉のおきん〜野川由美子
仕置の依頼を受けると相手の情報を集めたり、仕置の際には仕置人の手助けをする役目。
野川由美子も、菅井きんや白木万理らと共に、ともすれば暗くなりがちなテーマのドラマに彩りを添えてくれています。
おひろめの半次〜秋野太作(元・津坂匡章)
明るくお調子者の瓦版屋。おきんとともに、仕置人の手助けをする役目。
名脇役です。
「必殺仕置人」の見どころ
なんといっても殺しの場面
棺桶の錠
短い手槍を使って悪い奴らを突き刺す。
この手やり、槍の部分を柄の部分にねじ込んで完成、組み立て式なんです。
やりの部分と柄の部分をネジで組み立てる、その時のキリキリという音、この効果音は斬新で、今でも頭に残っています。
また、棺桶の錠はこの武器だけでなく、空手も使います。
これがまたカッコいいんです。
必殺シリーズのあとの方で、三田村邦彦演じる飾り職人の秀、この秀は「かんざし」を武器にしますが、私は「かんざし」よりも棺桶の錠の手槍のほうが男らしくて好きです。
念仏の鉄
さすが骨接ぎだけあって、念仏の鉄は、悪い奴らの首や背骨の骨を外して仕留めます。
最初は、本当にこんなことできるのかな?とも思いましたが、まあ、ドラマということで。
それに、骨を外したりするところをレントゲン写真を使ってリアルに描いたのも念仏の鉄からだったと思います。
これがまたリアルで斬新でした。
中村主水
藤田まことが初めて登場した「必殺仕置人」。
しかし、中村主水、このシリーズではどちらかといえば、脇役に近く、悪人を仕留める部分のメインは念仏の鉄と棺桶の錠だったような気がします。
二人に比べるとあまり派手な立ち回りがあるわけでなく、さほど目立っていません。
沖雅也について
沖雅也は、「必殺仕置人」のあと、これも私の好きだった「太陽にほえろ!」にスコッチ刑事としてレギュラー出演しました。
これまたニヒルな刑事役がかっこよかった。
その沖雅也、「太陽にほえろ!」のあとは、あまりパットした活躍はなかったような気がします。
ところが、昭和58年(1983年)6月、新宿の京王プラザホテルから飛び降り自殺しました。
これにはびっくりしました。
「おやじ涅槃で待つ」という遺書を残して死んだそうですが、「涅槃」という言葉、このとき初めて知りました。
「涅槃」とは、仏教で「安楽の世界」というような意味だそうです。
簡単に言えば「あの世」というような意味でしょうか。
この「涅槃」という言葉、一時流行後のようにもなりました。
好きな役者だっただけに非常に残念です。
まとめ
犯罪の被害者は、悔しくて悔しくて、自分が被害を受けたときのことは絶対忘れないものです。
「目には目を」、「毒をもって毒を制す」、できれば報復・復習したい、というのはほとんどの人が持つ感情でしょう。
そういった人間の心理面にスポットをあてたのがこの時代劇です。
私のまわりの同級生(男子ですが)のほとんどはこの時代劇を見ていました。
「はらせぬ恨みを晴らしてくれる」仕置人の活躍を見て、溜飲を下げていたのでしょう。
でも、私が皆さんにこの時代劇をおすすめする理由は、そんなネガティブなものではありません。
あまり難しいことは考えず、ただ単純に、悪い奴らを懲らしめる、勧善懲悪のストーリーを楽しもうではありませんか。