「17番グリーンの奇跡」しがない中年男のアメリカンドリーム。

読書
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こんにちは、たどんです。
女子プロゴルファーの渋野日向子さんが、全英女子オープンに優勝。
樋口久子さん以来、実に2人目のメジャー優勝という快挙を達成しました。
そこで今回は、ゴルフにまつわる小説をご紹介します。
ジェームズ・パタースン、ピーター・ドゥ・ヤング著「17番グリーンの奇跡」です。

簡単なあらすじ

50歳のしがないサラリーマン。
平凡な夫に愛想が尽きたのか、妻には別れを告げられる。
また、子どもたちも敬遠気味。
唯一の楽しみといえば、幼い頃から祖父に教えられたゴルフ。
ハンディキャップ1の腕前だ。
あるクリスマスの日、ひとりでゴルフをしていたら、苦手だったパットが面白いように入りだす。
家族とのクリスマスパーティーをボイコットしてしまった主人公。
妻との亀裂が深まり、家庭は崩壊。
会社もクビになる。
彼は、昔からの夢であった、ゴルフにすべてを賭ける。
ゴルフだけでなく、人間的にも成長した彼は、ついに憧れのPGAシニアオープンに出場する。
あのジャック・ニクラウスとともにラウンドする主人公。
一度は崩壊したはずの妻や子どもたちが応援する中、17番グリーンで奇跡が起きる。

ちょっと出来すぎのような気も・・・

小さい頃からおじいちゃんに手ほどきを受けたゴルフ。
しかし、少なくても大人になってから、50歳まで23年間はサラリーマンをしていたわけですから、ゴルフからは遠ざかっていたはずです。
その間ゴルフをしたとしても趣味程度でしょう。
それが50歳になってから仕事を辞め、ちょっとゴルフを再開したくらいでプロに匹敵する、あるいはプロ以上の成績を残せるものでしょうか❓
ゴルフを良く知る人に言わせれば
ゴルフをなめんじゃねぇ❗
と言われそうです。
いくら奇蹟が起きたとしても、私もちょっとできすぎかな❓と思います。
でも、いつも言っているように、小説は面白ければいいんです。
たとえ「?」と思うようなストーリーでも、サクセスストーリーというのは読んでいて楽しいですからね。

しがない中年男がヒーローに

普通のヒーロー・ヒロインものの小説は、そのほとんどが美男美女が主役です。
その点本書では、主人公はゴルフ以外に取り柄のない、ただの中年男のサラリーマンです。
本書のようなストーリーの小説は、以前からポツポツ見かけます。
そして、それなりに人気を博しているようです。
当ブログでも紹介しましたが、有川浩著「三匹のおっさん」なんかもそうですよね。
「三匹のおっさん」有川浩著。定年後に読みたいおすすめの1冊。
有川浩という小説家はご存知ですか?「三匹のおっさん」は「図書館戦争シリーズ」と同じ作者によるものです。面白くないわけがない。還暦過ぎた3人のおっさんが、悪い奴らをバッタバッタとやっつける、痛快娯楽小説です。定年後にぜひ読みたい1冊です。
スーパーマンのように、特殊な能力を生まれ持つ、そんなヒーローの活躍物語も爽快な気分にさせてくれるのですが、やはり自分らのように、ごく普通の人間が、努力の末に成功を勝ち取ったり、ヒーローになったりする。
主人公と自分を重ね合わせることができるような小説というのは魅力です。

本書を読んだきっかけ

児玉清という俳優をご存知でしょうか?
児玉清さんは、俳優でもあり、テレビのクイズ番組「パネルクイズ アタック25」の司会者としても有名でした。
その番組で、児玉さんの「アタックチャンス」というセリフは、お笑い芸人の博多華丸がそのモノマネを18番としていました。
また児玉清さんは、読書家としても有名で、外国小説は原書で読んでいたそうです。
残念なことに2011年にお亡くなりになりました。
本書は、その児玉清さんの書評エッセイ本で強く推薦していたので読んだと思います。
児玉清さんの本は、
・ 寝ても覚めても本の虫
・ すべては今日から
の2冊を読んでいますが、どちらで推薦していたのかはよく覚えてません。
いいかげんですみません。

映画化されそうな小説

本書を読んでいて思ったのは「映画化されやすい小説だな」ということです。
読み終わって調べてみると、案の定、映画化されてました。

私はまだ観てませんが、機会をみて是非観てみたいと思っています。

私の読後感

私がつけている読書記録には
ハッピーエンド。良かった。あまりにも主人公が奥さんにネチネチ未練がましいことばかり言ったりヤッたりしているので、その点がイライラしたが、最終的にハッピーエンドでめでたしめでたし。
とあります。
やはりハッピーエンド、最高ですね。

まとめ

日本のゴルフ熱、昔バブルの頃だったでしょうか、猫も杓子もゴルフ、ゴルフ、という時期がありました。
私も少しはかじったので、野球と違い止まっている玉を打つだけなのに難しい、ということぐらいはわかっています。
そのゴルフ熱、なんとなく最近また静かに再燃してきたような気がします。
そんな折り、女子プロゴルファーの渋野日向子さんが、全英女子オープン優勝という快挙を達成しました。
ゴルフを題材にした小説というのはあまりありません。
本書は、ハッピーエンド、「本は気分良く読みたい」と思っている方におすすめの本です。
 

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