サラッと読めてスカッとしたい。肩がこらずに読める作家3人。

読書
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こんにちは、たどんです。
今回は、読書好きのあなただからこそおすすめしたい、3人の作家をご紹介します。
難しくなくて、サラッと読める、読んだあとスカッとする、そんな本が読みたいあなたに最適です。

城戸 禮(きど れい)

1909年〜1995年。
昭和20年から30年にかけて一世を風靡した作家です。
当時はまだ貸本屋が全盛期でした。
人気を博したのが、「地下鉄三四郎」から始まる「三四郎シリーズ」です。
主人公の竜崎三四郎は、柔道を武器に、悪い奴らをバッタバッタとなぎ倒す。
今はもう死語になっているようですが、三四郎こそまさに「ナイスガイ」「快男児」。
男前で腕っぷしは強い反面、やや無口。
その三四郎にはいつも親友の伴大六がついてます。
伴は、腕っぷしはからっきしだけど、口先だけは三四郎を補ってもあまりある、三四郎とは名コンビです。

加山雄三の若大将シリーズの青大将との違い

加山雄三の映画「若大将シリーズ」には、若大将の加山雄三にいつも付きまとうように田中邦衛扮する青大将が出てきます。
青大将は時に若大将の恋の邪魔をする悪役として出てきます。
しかし伴大六は、口数少ない三四郎をフォローする、三四郎の親友です。
若大将シリーズとは違い、読んでいて気持ちいいコンビです。

何から読めばいいのか

三四郎シリーズは、著者が多作家のため、10冊ではききません。
主だった作品をザッとあげても
・ 地下鉄三四郎
・ 大学三四郎
・ 浅草三四郎
・ 竜巻三四郎
・ 稲妻三四郎
・ 流星三四郎
・ 拳豪三四郎
・ 旋風三四郎
などがあります。
連続ものではないので、どれを読んでも大丈夫。
本を探すには、Amazonや楽天などの通販では、ほとんど販売されてないようで、古本屋に行ったほうが見つかります。
しかし古本屋では、上記の本が古いものから順にそろっているわけではありません。
したがって、古本屋の本棚においてある本を選ぶしかないのですが、どの本も1話完結なので、売ってる本を買っても問題ありません。

城戸 禮の作品に対する批判

私は、著者のどの本を読んでもサラッと読めて面白いのですが、中には、
・ ハンサムで無敵な男なんてありえない
・ 三四郎が強すぎる
・ どの本も、親友の伴大六がケンカのきっかけを作り、三四郎がやっつけるという同じパターンなのでつまらない
などという批判があります。
私は、その批判に真っ向から反対するつもりはありません。
でも、気持ちがモヤモヤしてスカッとしたい時、暇つぶしに読みたい、そんな小説です。
いいじゃありませんか、面白ければ。

赤木圭一郎という役者を知ってますか?

昔、赤木圭一郎という映画俳優が人気でした。
なかなかハンサムで、数多くの映画に主演してました。
赤木圭一郎は、城戸禮の「抜き撃ち三四郎」などいくつかの小説が映画化され、その主役を演じています。
惜しむらくはこの赤木圭一郎、21歳の若さで急死しています。
運転していたゴーカートでの事故でした。

源氏 鶏太(げんじ けいた)

1912年(明治45年)〜1985年(昭和60年)。
著者自身、戦前から戦後まで、住友系列の会社でサラリーマン勤めをしていたため、サラリーマンものの小説がほとんどです。
日本の高度成長にも大きく貢献したサラリーマン。
そんなサラリーマンを中心とした物語を数多く執筆し、当時絶大な人気を博したため、「サラリーマン小説の第一人者」とも言われました。

源氏鶏太の作風

源氏鶏太の作品は、サラッと読め、1冊読むと次から次へと読みたくなります。
私も一晩で2〜3冊読んでしまったことがあります。
なぜなら源氏鶏太の描く物語は、善人の主人公サラリーマンの活躍により、悪い重役などが最後には退陣せざるを得なくなる、といった痛快極まるストーリーで構成されているからです。
主人公やその周囲の人は、幾多の困難に直面するのですが、最後には私の好きなハッピーエンドとなります。
したがって、読んでいてスカッとします。
サラリーマンの悲哀だけを描いた物語だったならば、これほどの人気は出なかったでしょう。

源氏鶏太の作品に対する批判

主人公の活躍を描くストーリーの中で、主人公が人との出会いや偶然の出来事などに助けられることがあります。
人によっては
・ そんな偶然あるわけない
・ 話が出来すぎ
などという批判があるかもしれません。
でも、読んでいて、スカっとできて、気分が良くなれば、いいじゃありませんか。
爽快な読後感が欲しいから読んでいるんです。

主な作品

源氏鶏太は非常に数多くの作品を書いており、何から読めばいいのか迷うかもしれません。
どれを読んでも面白いのですが、代表的な作品をいくつかあげておきます。
・ 「ホープさん」
・ 「三等重役」
・ 「向日葵娘」
・ 「明日は日曜日」
・ 「英語屋さん」
・ 「坊つちやん社員」
・ 「鬼の居ぬ間」
・ 「七人の孫」
・ 「見事な娘」
・ 「たばこ娘」
・ 「重役の椅子」
・ 「娘の中の娘」
・ 「新・三等重役」
・ 「天下を取る」
・ 「青年の椅子」
・ 「堂々たる人生」
どれを読んでも、どの本から読んでも大丈夫です。
城戸禮の作品と違い、Amazonや楽天でもいくつかは販売されています。

著者の主な受賞歴

・ 1951年「英語屋さん」などで第25回直木賞
・ 1968年「口紅と鏡」「幽霊になった男」で第5回吉川英治文学賞

映画化された主な作品

源氏鶏太の作品は、その多くが映画化されており、数え上げたらきりがありません。
映画化された作品は80作以上あります。
中でも、森繁久彌が社長役としてシリーズ化された「三等重役」は、当時当方のドル箱映画になったそうです。
私も昔いくつかの作品を観てますが、面白いですよ。
また、昔懐かしい美空ひばり、高倉健が主演した「娘の中の娘」という作品もあります。

山手 樹一郎(やまて きいちろう)

1899年〜1978年。
山手樹一郎の執筆活動は雑誌編集者との兼業で30代から、とどちらかといえば遅咲きです。
専業の作家として本格的に執筆活動をはじめたのは40代。
しかし、その後の作品数が膨大です。
山手樹一郎という作家の名前は知らなくても、「桃太郎侍」「遠山の金さん」の原作者、といえば誰しもがおわかりになると思います。

山手樹一郎の作風

雑誌編集者という仕事の影響か、山手樹一郎の作品は、常に読者を意識して書かれたと思われます。
どの作品も痛快で、「ああ面白かった。」という爽快な読後感を感じるものばかりです。
「桃太郎侍」や「遠山の金さん」でわかるように、そのストーリーは、勧善懲悪、痛快、人情あり、恋もある、そして全てハッピーエンドで終わります。

主な作品

山手樹一郎の主な作品として
・ 桃太郎侍
・ 夢介千両みやげ
・ 又四郎行状記
・ ぼんくら天狗
・ 遠山の金さん
等があげられる。
私は、将軍や大名の血を引く「若様」が、得意の剣で縦横無尽に活躍する、「若さま」シリーズが好きです。
国民的人気作家であったからか、山手樹一郎の作品は、今でもAmazonや楽天で結構販売されています。
また、コミック本になっているものもあります。

映画化された作品は多数

山手樹一郎の作品というのは、万人受けする作品なんでしょう。
特に日本人というのは、「水戸黄門」などでわかるように勧善懲悪ものが好きなんですね。
勧善懲悪という単純明快なストーリー、剣の腕がたつ主人公の殺陣、そこに色恋話も加われば、映画化されないわけがありません。
一つ一つあげればキリがないほど数多くの作品が映画化されています。
また、「桃太郎侍」や「遠山の金さん」などテレビドラマ化されて、人気を博したものも数多く、まさしく大衆受けする作家ナンバーワンと言えます。

文学賞受賞歴

驚いたことに、山手樹一郎は、文学賞の受賞歴があまりないんです。
第4回野間文芸奨励賞を受賞したぐらいでしょうか。
中年以降の年代の人なら誰でも知ってる時代劇の原作者で、国民的人気作家の受賞歴としては、少し寂しいような気がします。

まとめ

私がおすすめする作家は
・ 城戸禮
・ 源氏鶏太
・ 山手樹一郎
の3人です。
いつも難しい本ばかり読んでいてたまにはサラッと読みたい時、ちょっと時間が空いた時、モヤモヤした気分を吹っ飛ばしたい時、スカッと爽やか(コカ・コーラみたいに)な気分になりたい時、是非読んでいただきたい作家です。
読んでいて、だいたい結末は見えている、それなのに次から次へと呼んでしまう。
そんな作家たちです。
古本屋で108円で売っている本もあります。
騙されたと思って読んでみてはいかがでしょうか。
 

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