綾辻行人著「十角館の殺人」たまには日本の本格派推理小説はいかが?

読書
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こんにちは、たどんです。
久しぶりの更新です。
今回は30年以上前の日本の推理小説を読んだ感想です。

本書の簡単なあらすじ

大分県にあるK大学、そこの推理小説研究会の大学生7人が、角島(つのじま)という無人島を訪れる。
角島は、半年前にそこの住人4人が殺害されるという事件が発生した島で現在は誰も住んでいない。
角島には、殺人事件現場となった通称「青屋敷」の跡地の他、「十角館」と呼ばれる建物が建っている。
大学生一行はその「十角館」に泊まって1週間を過ごす計画であった。
ところがその大学生たちが次々と殺害される。
この連続殺人の結末はいかに・・・。

わたしの読書の原点

わたしの読書好きの原点は推理小説です。
と言っても外国の推理小説です。
ヴァン・ダイン、コナン・ドイル、エラリー・クイーン、アガサ・クリスティ、などなど読みまくり、すっかりハマってしまいました。
ちょうど大学生の頃です。
その後就職し、長いこと楽しむ読書からは遠ざかっていました。
定年してからは時間に余裕ができ、また楽しむ読書が復活。
もう読みたい本が多すぎて多すぎて。
日本の本格派推理小説は本当に久しぶりです。

本書の感想

実は、綾辻行人氏の著作を読むのは本書が初めてです。
同氏のデビュー作「十角館の殺人」のことは以前から承知しており、いつかは読みたいと思っていました。

登場人物たちのニックネーム

無人の孤島を訪れた大学生・推理小説研究会のメンバーは、推理小説研究会らしく、外国の有名な推理小説作家にちなんだニックネームで呼びあってます。
「ポー」は、エドガー・アラン・ポー
「カー」は、ディクスン・カー
「エラリイ」は、エラリー・クイーン
「ヴァン」は、ヴァン・ダイン
「アガサ」は、アガサ・クリスティ
という作家の名前をもじったもの。
その5名の作家の作品はかなり読みました。
しかし
「オルツィ」は、バロネス・オルツィ(女性)
「ルルウ」は、ガストン・ルルー
のこと。
この2名の作家については読んだことがありません。

昔の作品に感じる違和感

30年以上前の作品というと、普通その内容にかなりの違和感を感じるものです。
例えばパソコン、当時はパソコンなんて個人で使う人などまずいなかったでしょう。
したがって、作品中にワープロ専用機などが小道具として出てくると
うわぁーー、古いなあ
と違和感を感じてしまいます。
しかし本書は、多少古い小道具も出てきますが、あまり違和感は感じません。
そのような作品がずっと読みつがれていくものなんでしょうね。

判定

さて、わたしにとって面白い小説だったかどうか。
まあ、面白かった。
というのが感想です。
半年前に4人が殺害され、今では無人の孤島。
そんなところに女の子2人を含め7人もの学生が泊りがけで行く、という設定が多少強引かな?
しかし今の若者なら「肝試し」に行くかもしれない。
その他にも設定上少し無理があるのでは?という箇所がありますが、それを踏まえても読んでみて良かったなと思います。

著者 綾辻行人

著者は1960年生まれ。
日本推理作家協会賞(1992年)
日本ミステリー文学大賞(2018年)
を受賞しています。
同氏の奥さんは、同じく小説家の小野不由美。
小野不由美の作品のうち「屍鬼」はわたしの読みたい本リストに入っています。

まとめ

わたしはいわゆるネタバレは書きません。
もし時間が許すのであれば、30年以上前に話題になった、日本の若き本格派推理小説家のデビュー作を読んでみてはいかがでしょうか。
綾辻行人氏の他の著作、いずれはもう1冊読んでみたいと思います。

 

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