「初秋」ただのハードボイルドじゃない。男は優しくなければ!

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こんにちは、たどんです。
今回ご紹介するのは、外国のハードボイルド小説「初秋」です。
スペンサーシリーズの代表作と言えます。

簡単なあらすじ

スペンサーは、ボクサー上がりの私立探偵。
そのスペンサーが、パティという婦人から「私が親権を持ち一緒に暮らしている15歳の息子ポールが、元夫に連れ去られたので取り戻して欲しい。」
との依頼を受ける。
依頼を受けたスペンサーが、元夫のところからあっさりとポールを連れ戻すと、パティはボーイフレンドと家にいた。
パティはさほど喜ぶことなく、スペンサーに、そのボーイフレンドと予定があるのでポールと一緒に晩御飯を食べてきてほしい、と言ってきた。
スペンサーは、パティとその元夫は、どちらもポールが可愛いわけではなく、お互いを傷つけ合うためにポールを取りあっているだけだと知る。
それから4ヶ月後、またパティから、元夫の手先からポールがさらわれそうになったので守ってほしい、との依頼を受ける。
スペンサーは、しばらくパティの家で寝起きし、ポールを警護する。
無口だったポールと辛抱強く会話を続け、ポールをスペンサーの別荘地に連れ出し、そこでポールと一緒に体を鍛え、家を建てるという作業を手伝わせる。
ガリガリの細い体で、自分に自信も誇りも持てなかったポールが、スペンサーと共に暮らしていくうちに、心身ともに徐々に変わっていく。

ネオ・ハードボイルド

ハードボイルドといえば、一匹狼のタフな男が、自分の信念と誇りをつらぬき生きていく、そんな男を主人公とした物語、というのが一般的な解釈です。
一方、ハードボイルドほどタフな男ではないが、社会の変化になかなか適応できず、悩みながらも自分の信念と誇りをつらぬいて生きていく、そんな男の物語をネオ・ハードボイルドと言うようです。
とはいえ、ネオ・ハードボイルドという言葉には、決まった定義などないようで、本作品などはネオ・ハードボイルドの部類に入るのではないかな、と個人的には思っています。
他のハードボイルド小説と違って、悪い奴らをバッタバッタとやっつけるシーンがさほど多いわけではなく、どちらかといえば、ひ弱な少年を、自分の信念や誇りを押し付けることなく共に働き、共に体を鍛えて成長させていく、そんな物語だからです。
普通のハードボイルドよりも優しさのあるハードボイルド、と言ったほうがいいのでしょうか?

読みどころ

アクションシーン

やはりこの手の小説に悪い奴らをやっつける痛快な場面は必要ですね。
本作品でも、それほど多くはないのですが、主人公スペンサーの元ボクサーの腕をいかしたカッコいい立ち回り、相棒の黒人ホークの強さ、これが随所に散りばめられており、爽快な気分にさせてくれます。

少年の成長を描く

スペンサーは、別荘地でポールと寝起きをともにします。
そして、共に体を鍛え、一緒に家を建てるという作業をするなかで、決して自分の考えをポールに押し付けることなく、自ら生き方を考えさせる。
人生に投げやりで、夢も希望も持っていなかったポールに徐々に変化が現れます。
若い子の成長物語というのは、別にスポーツの世界ばかりじゃない、読んでいて面白いですよね。

主人公スペンサーの恋人

主人公スペンサーの恋人スーザン。
なかなか強い女性だけど、スペンサーを理解してくれる良きパートナーとして、魅力的に描かれています。
スペンサーとの会話もなかなか良いですよ。
結婚すればいいのになあ、と思ってしまいます。

著者ロバート・B・パーカー

著者ロバート・ブラウン・パーカーはアメリカの小説家。
私立探偵スペンサーを主人公とするスペンサーシリーズだけでも24冊、他にも、ジェッシイ・ストーン・シリーズ、サニー・ランドル・シリーズ、コール&ヒッチ・シリーズなどがあり、多作家と言えます。
残念なことに2010年に77歳で心臓発作のため急死しました。
スペンサーシリーズ第4作目の「約束の地」で、エドガー賞長編賞を受賞しています。
日本では、本作品「初秋」で人気となりました。
村上春樹、よしもとばなな、などもファンのようですね。

まとめ

純粋なハードボイルド小説と思って読むとがっかりしてしまうかもしれません。
でも、少年の成長に一役買う主人公スペンサー、別の意味でカッコいいですよ。
ガチガチのハードボイルド小説には少し飽きたかな、と思った時に読むにはちょうどいい、ややソフトなハードボイルドです。
なお、スペンサーシリーズの第10作「晩秋」では、十年後のポールがスペンサーの前に現れるそうです。
是非読んでみたいと思います。
 

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