これを読んで面白ければあなたはまだジジイじゃない本2冊

読書
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こんにちは、たどんです。
今回は、読み終わって「面白かった」「感動した」人はまだまだ若い、と思える本3冊のご紹介です。

「君の膵臓をたべたい」住野よる著

簡単なあらすじ

主人公は男子高校生。
盲腸の術後の措置のため行った病院のロビー、そのソファの上に置かれていた1冊の文庫本を見つける。
何気なしに中を見てみると、それは文庫本ではなく、クラスメートの女の子の日記帳。
そこには、膵臓の病気で長くは生きられない、との内容が書かれていた。
若い二人の美しくも悲しいラブストーリー。

感想

映画化もされた大ベストセラーです。
2016年の本屋大賞で惜しくも2位。
書評YouTuberも紹介していました。
私は、本屋大賞というのは結構信頼している文学賞です。
本屋大賞の上位作品にハズレはほとんどありません。
さて、本作品ですが。
死に至る病を抱えながらも明るく生きるヒロイン、そして、草食系男子とでも言うのでしょうか、多少引っ込み思案で、恋愛に臆病な男子のラブストーリー。
出産を経験する女性の方が痛みに強い、とよく言われますが、女性というのは精神的にも強いですね。
普通、「死」というものがちらつくと、男性だったらこんな明るく振る舞うことなどできません。
所詮、小説の中の話だから、というのはわかります。
でも、60年以上生きてきたおっさんは、女性の強さを実感しています。
それに引き換え、男というのはだらしない。
若い人、特に若い男性にはこういう小説を読んで、今を大事に強く生きることを学んでほしいものですね。
本作品自体は、冗長な記載はあまりなく、テンポよく読み進めることができ、ベストセラーになるのも納得です。

「君は月夜に光り輝く」佐野徹夜著

簡単なあらすじ

主人公は男子高校生。
クラスメートの女の子が「発光病」という難病で入院しており、ひょんなことからクラスを代表してお見舞いに行くことになる。
若い二人の美しくも悲しいラブストーリー。

感想

本作品は、2016年第23回電撃小説大賞受賞作で、著者のデビュー作でもあります。
近頃映画化もされました。
映画監督は、上述した「君の膵臓を食べたい」と同じ月川翔監督です。また、本作品もある書評YouTuberが熱心にすすめていました。
「君の膵臓を食べたい」に迫るベストセラーです。
本作品も、死に至る病を抱えながらも明るく生きるヒロイン、そして、引っ込み思案で、恋愛に臆病な男子高校生のラブストーリーです。
還暦過ぎのおっさんには、ヒロインの希望を少しでもかなえてあげようという健気な主人公が微笑ましい。
男なんてみんなそんなもんです。
結局は女の手のひらの上で踊らされ一生を送るんでしょうね。
愚痴はともかく、「発光病」という現実にはありえない病気ですが、それを感じさせない著者の筆力、そしてあまり脱線することなく、若い二人のラブストーリーを淡々と描くその心理描写、とても著者のデビュー作とは思えません。
人は、生まれた時から死に向かって生きていきます。
死があるからこそ生きてる今を大事にしたくなるんですね。
愛する人に死なれることは悲しいことですが、より良く生きるため、若い人に読んで欲しい小説です。

まとめ(ネタバレあり)

両作品ともヒロインは亡くなってしまうのですが、単なる悲劇の物語ではありません。
悲しいというより「彼女の分まで強く生きていくぞ」という思いのほうが強く感じられる小説です。
両作品の評価には、「涙が止まらなかった」「感動に胸が震えた」というものが多いようです。
しかし、60年以上生きてきた、ヒネたおっさんには、そこまでの感動・涙はありませんでした。
今どきの高校生の感性を理解する一助とはなりますが、正直言ってついていけない部分もあります。
たとえば主人公、いずれも男子高校生ですが、「もっとシャキッとしろよ」と言いたくなる。
なんかナヨナヨしてるんですよね。
別に難癖をつけているわけではありません。
小説自体は両作品とも素晴らしいと思います。
ただ、私のようなジジイは、著者も読者として想定外なのでしょうね。
今回は若い人向けの書評でした。
 

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