こんにちは、たどんです。
今回は百田尚樹の「ボックス」。
「ボックス(上・下)」百田尚樹著。マンガ「はじめの一歩」が好きな人は必読です。
さすが今をときめくベストセラー作家、面白い。
上下巻の全2冊ですが、あっという間に読み終えてしまいます。
連載マンガ「はじめの一歩」が好きな人にはおすすめです。
私の書評・読後感やあらすじの書き方について
前にも少しお話しましたが、私は、一般的な書評や読書の感想は書きません。
ネットでいろいろな人の書評ブログを見ていますが、皆素晴らしい書評ばかり、私なんかとてもかないません。
その文章力には感心するしかありません。
したがって、ほんとうの意味での書評や感想文は、先達に任せるとして、私は、良くいえばその本の内容にこだわらない自由奔放な、悪くいえば話があっちへ飛んだりこっちに飛んだりとりとめのない内容で書いていこうと思っています。
また、私は、本を読む前に詳しいあらすじを知ってしまうと、もうその本を読む気にならなくなります。
そこで、私のブログでは、あらすじは「えっ?これだけ?」というくらい、ごくごく簡単にしています。
「ボックス」のごく簡単なあらすじ
幼馴染の二人。
一人は鏑矢義平。高校のボクシング部に所属し、そのボクシングセンスは天才的。
一人は木樽優紀。気が弱いが優等生。同じ高校に通っている。
ある日、同じ電車に居合わせた、二人の高校の女性教師高津燿子が、若者たちに絡まれ、それを見た鏑矢義平が、若者5人を簡単にやっつけてしまう。
さらに、ある日、木樽優紀は、中学校時代のいじめっ子に暴力を振るわれ、一方的にやられてしまう。それも自分の同級生の女の子といるときだった。
木樽優紀は、鏑矢のいるボクシング部に入部する。強くなりたい一心で。
そこから優紀の地道な努力がはじまる。
ここが面白い
あらすじはこれくらいにして、あとは読んでのお楽しみです。
「ボックス」の読みどころは、もちろんどんどん強くなっていく優紀。
一方、高校ボクシング界で敵なしと言われる稲村と闘い、完膚なきまでに敗れ去った鏑矢、意気消沈しボクシング部をやめてしまうが、木樽優紀の成長を目の当たりにして発奮し、またボクシング部に復活する。
「はじめの一歩」というマンガがあります。
主人公は、釣り船屋の息子。その主人公・幕之内一歩の成長の過程を描いたものです。
なんと30年近く前から、今も連載が続いている超ロングセラーマンガで、釣り船屋の息子がプロボクサーのチャンピオンになるまでのボクシングを題材にしたマンガです。
私には「はじめの一歩」の幕之内一歩と「ボックス」の木樽優紀がなんとなくダブって見えてしまいます。
ボクシングといえば、マンガでは「あしたのジョー」、映画では「ロッキー」が有名ですね。
いずれもヒット作品となっています。
ボクシングというのは、スポーツの中でも、マンガや映画の題材にしやすいのかもしれません。
しかし、小説で、ボクシングの試合の白熱した打ち合いのシーンや両者の心の動きを描くのは難しいのでは、と思っていました。
でも、百田尚樹、やはりベストセラー作家は違います。
後半は、ページをめくるのも惜しいくらい「次はどうなるんだ」と、あっという間に読み終えてしまいました。
その点「はじめの一歩」は話が長すぎます。
私は、人が努力して成長し、トップに上りつめる、いわゆるハッピーエンドが好きなんです。
でも、トップとなってからの物語には、飽きてしまいます。
戦国の豊臣秀吉もそうです。太閤秀吉まで駆け上がる出世物語が面白いので、その後の朝鮮出兵などの話まで来るともう飽きてしまうんです。
百田尚樹という作家は、そのへんを十分心得ており、もう少し話が続いてもいいのかな?というところで完結させています。
たいした作家だと思います。
私は、本より先にマンガありき、の少年でした。
昔「ハリスの旋風(かぜ)」、「キャプテン」、「プレイボール」などの、いわゆるスポ根モノのマンガがすきでした。
マンガについてはまた別の機会に書きたいと思っています。
百田尚樹という作家
百田尚樹は私より2歳年下で、放送作家から小説家に転身。
「永遠の0」「モンスター」「ボックス」「海賊とよばれた男」など、数々のベストセラーを連発しています。
小説家には珍しく、保守派の論客としてメディアにもよく顔を出しています。
主に関西地方で放送されている人気番組「探偵!ナイトスクープ」の構成作家をしていますが、文章力はそれで培われたものなのでしょうか。
どういう構成、どういう書き方をすれば小説が面白くなるのか、良くわかっているようです。
「ボックス」以外の小説もハズレがなく、みなおもしろいと思います。
私の読書記録
私が昔からつけている読書記録によると、「ボックス」の感想として
「モンスター」に続いて百田尚樹の本を読む。
一旦中断したが、また再開。
調子に乗って夜中の4時までかかって読んでしまう。
マンガと同じで、私はこういうスポーツ物が好き。
やはり百田尚樹はなかなかうまい。どんどん読ませる。途中で止められない。
と書いてあります。
後半は夢中になって読んだことがわかります。
次の日仕事だろうがなんだろうが関係ない。
面白くなると途中で止めることができません。
仕事にも身体にも良くない読み方ですが、性分なので仕方ありません。
この性分は還暦を過ぎても変わらず、健在です。
まとめ
「読書は楽しめればそれでいい。
特に定年後、面白くない本は読むだけ時間の無駄。
もう先もそう長くないのに、今更教養のための読書をして何になる。」
by katsu
本音です。
世の中まだ読んでない面白い本がたくさんあります。
とても死ぬまで読みきれるものではありません。
私の読書は、楽しむための読書です。
途中まで読んで面白くなかったら、もったいないけど読むのをやめます。
もちろん、この「ボックス」、途中一旦休憩しましたが、残りは最後まで一気呵成に読んでしまいました。
読んだあとの爽快感、最高でした。
スポ根モノのがお好きな方には、是非おすすめしたい小説です。