こんにちは、たどんです。
今回は、知の巨人、渡部昇一著「知的生活を求めて」の紹介です。
本書のおおまかな内容
本書は、著者の、自伝風のエッセイ集である。
著者は、戦前の昭和5年、山形県で生まれ、中学生の時終戦。
小さい頃から虚弱体質で、目も強度の近視、学業も抜群というほどの成績ではなかったようだ。
終戦後、上智大学にすすみ、コツコツと真面目に語学の勉強に励み、ドイツ、イギリスへ留学。
後に「知の巨人」と讃えられるまでになる。
以前当ブログでも紹介したが、著者のベストセラーともなった「知的生活の方法」を読んで、私は初めて「知的生活」という言葉を知り、「知的生活」に憧れた。
本書は、その「知的生活」を半世紀以上も追求し続け、著者のたどってきた道を綴った自伝・エッセイ集である。
本書を読んだ感想
すごい記憶力
本書が刊行されたのが2000年、著者がちょうど70歳の時です。
今の私より年上です。
私が小学校、中学校時代のことといえば50年以上前のこと、ほとんど断片的にしか記憶にありません。
それなのに著者は、同級生の名前や細かい出来事まで、驚くぐらいよく覚えています。
やはり、「知の巨人」と「凡人」は、そこからして全く違うんですね。
理想の書斎への飽くなき執念
著者が結婚後、自宅を建てたのが昭和35年(1960年)。
たしか東京の練馬区内だったと思います。
東京の練馬区は、今では凡人にはとても土地付き一戸建てなんか建てられません。
しかし、まだ当時は普通のサラリーマンでも十分買えたそうです。
ただ著者は、理想の書斎を求めて、その後増改築を重ね、「ロ」の字型の建物にしました。
その増改築の費用はどこから出たのでしょうか。
著者は大学の先生、奥さんはピアノの個人教師、2馬力で稼いだとはいえたかが知れています。
やはり、1976年にベストセラーになった「知的生活の方法」の印税が大きかったのかな、とゲスの勘ぐりをしてしまいます。
もしそうだとすれば、私も同書を1冊買っていますので、著者の理想の書斎のため、少しは手助けした、ということになるのでしょうか。
そんなはずはないですよね。
著者とエビオス錠
著者は、小さい頃病弱だったこともあり、年配になってからもかなり健康には気を使っていたことがうかがいしれます。
著者は腸が弱く、よく下痢をしたようです。
ところが、60歳を過ぎてからでしょう、エビオスを飲むようになって下痢をしなくなったようです。
実は私も腸の病気持ちです。
大腸憩室炎という病気です。
そして私もエビオス錠を飲んでいます。
だからなんだと言われるかもしれませんが、「知の巨人」と同じものを飲んでいる、と知って、単純に嬉しかっただけなんです。
語学を勉強している人におすすめ
外国語の勉強方法、聞き取り、発音、などについて、著者の思うことがいろいろ書かれています。
また、今、中学や高校で主流の会話重視の授業等にも疑問を呈されています。
語学を勉強している方には参考になることも多いのではないでしょうか。
渡部昇一の本
本書や「知的生活の方法」の他、「ドイツ参謀本部」「決定版・日本史」「知的余生の方法」など、読んで損はない著作がいっぱいあります。
まとめ
著者は、2017年、86歳でお亡くなりになりました。
まだまだお元気だと思っていたのに残念です。
私は、社会人になりたての頃、著者の「知的生活の方法」を読んで感銘を受けました。
著者と同じような知的生活を送ることなど当然できませんし、また、自分の書斎も子供が巣立つまで持つことはできませんでした。
でも、著者の本の影響で、読書だけは継続して続けられたと思っています。
謹んでご冥福をお祈りしたいと思います。