「フライ,ダディ,フライ」さえない中年オヤジにおすすめの1冊

読書
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こんにちは、たどんです。
今回は、金城一紀著「フライ,ダディ,フライ」の紹介です。
読後感スッキリ、勇気を与えてくれる小説です。
特に、さえない、気が弱い、平凡、中年、娘を持つ普通のお父さんにおすすめの本です。

本書の簡単な内容

気の弱い、普通のおっさんサラリーマンが頑張る物語。
40代後半、平々凡々なサラリーマンの主人公は、妻と一人娘の3人で、平凡ではあるが幸せな家庭を築いていた。
そんなある日、娘が男にカラオケ店で絡まれ、殴られて入院する。
男はボクシングの高校生チャンピオンで父親は有力者。
大怪我をした娘に駆け寄ることもできず、病院に謝罪に来た相手にもなすすべもなく引き下がってしまう。
不甲斐ない自分に恥じ、復習を誓う主人公。
愛娘のため、自分のため、果たしてどこまで頑張れるか・・・。

「フライ,ダディ,フライ」のここがいい

先ず設定がいい

どこにでもいるような普通の中年オヤジ。
気が小さくて臆病で、今までケンカなんかしたことがない。
当ブログでも、以前「三匹のおっさん」という小説を紹介しました。
「三匹のおっさん」有川浩著。定年後に読みたいおすすめの1冊。
有川浩という小説家はご存知ですか?「三匹のおっさん」は「図書館戦争シリーズ」と同じ作者によるものです。面白くないわけがない。還暦過ぎた3人のおっさんが、悪い奴らをバッタバッタとやっつける、痛快娯楽小説です。定年後にぜひ読みたい1冊です。
「三匹のおっさん」では、柔道、剣道の達人のおっさんが活躍します。
それはそれで面白い。
だけど、本書のように、何の取り柄もない、これまで武道どころか運動もまともにしていない、ただのおっさんが、努力して、練習して、頑張って、少しずつ強くなっていく。
そんな物語が好きなんです。

理にかなってる

そのオヤジが、高校生からケンカの指導を受ける。
まともに一から体を鍛えたって、ボクシングの高校生チャンピオンに勝てるわけはない。
そこで、中年オヤジとケンカの師匠たとった方法とは?
私も武道をほんの少しかじったことがあります。
この小説の作者、なかなか理にかなった方法をとっていると思います。
まあ、後は読んでからのお楽しみ、ということで。

日本と韓国の架け橋

この記事を書いている今、過去最悪の日韓関係と言われています。
作者は、いわゆる在日の韓国人で、主人公の高校生朴舜臣(パク・スンシン)も在日という設定です。
小説の中では、在日ということの葛藤のようなものも描かれていますが、主人公のおっさんと在日の高校生とのほのぼのとした関係には、心あたたまるものがあります。
私も高校の時、仲が良かった在日朝鮮人のクラスメートがいました。
私の家にも遊びに来たり。
ところが高校3年の時、夢と希望を持って祖国の北朝鮮に帰っていきました。
その後音信不通で、今どうしているのやら。
同じ人間同士、仲良くなれないはずはない。
私の本音です。
しかし当ブログは、思想的なものに言及するブログではありません。
読んで面白ければいい、という書評のブログなので、もうこれ以上は申しません。
本書のような小説がもっと普及してくれればな、と思っています。

やはり最後はハッピーエンド

私が本を読むのは、楽しむため、読んだ後スッキリ、痛快な思いを味わいたいからです。
悲劇の結末や怖い本は読みたくもありません。
その点、どうか安心してください。
この本は大丈夫です。

映画もいい

「フライ,ダディ,フライ」
映画化もされています。
中年サラリーマンの鈴木一役が堤真一、在日の高校生朴舜臣が岡田准一、まさしくピッタリの役柄です。
気の弱そうな役柄を見事に演じる堤真一、さすがです。
また、岡田准一も、実際に鍛錬を怠らない格闘家であることはみな知っています。
その実力は、テレビドラマ「SP 警視庁警備部警護課第四係」や映画「図書館戦争」などで遺憾なく発揮されています。
映画「フライ,ダディ,フライ」も見ましたが、原作に劣らず素晴らしい出来栄えです。
もし興味を持たれた方がおりましたら是非ご覧になってください。

まとめ

私がつけている読書記録には
一気に読んでしまった。普通の中年親父が娘の暴行被害をきっかけに、在日韓国人高校生の指導を受け、少しずつ強くなっていき、最後には仇をとるもの。本当にこういうストーリー、好きだなあ。
と書かれています。
暑い夏、読後スッキリ、爽やかな気分を味わいたい方にはおすすめの1冊です。

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