丸山眞男著「日本の思想」岩波新書。理解できずあきらめました。

読書
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こんにちは、たどんです。
今回は、わたしには文章が難しすぎ、読み切るのを断念した岩波新書について話します。

岩波新書

なあ〜だ。新書か。
などと馬鹿にしてはいけません。
もともと新書という本は、ある特定の専門分野の知識を身につけるには最適の入門書である、というのがわたしの理解です。
つまり、難しい内容でもわかりやすく、できるだけ平易に書かれている、と思ってました。
とくにわたしは、「岩波新書」には特別の思い入れがあります。
その理由については別のブログでも書いたことがありますが、ここでも簡単にお話します。

高校の物理の先生

わたしは都内の某都立高校に通っていました。
当時の物理の先生。
名前は忘れましたが、小柄な30過ぎくらいの先生でした。
1年間教わりましたが、授業の内容はまったく覚えてません。
物理という科目は苦手で、あまり興味もありませんでした。
ただ一つだけ鮮明に覚えていることがあります。
ある日、授業中の雑談の中で、先生は自分のかばんの中から本を4〜5冊取り出しました。
みんなに本を見せながら
これはみな岩波新書です。
ぼくはこれまで出版された岩波新書をすべて読んでます。
毎月4〜5冊刊行されるので、全部買う。
岩波新書を読めばあらゆる分野の知識が身につき、他の本は読む必要が無い。
岩波新書は読みやすいし面白いよ。
そのようなことを話してくれました。
しかし、その後は先生の岩波新書のお話はほとんど忘れてました。

ご近所に住む大学教授

おとなになって就職し、結婚、子供ができてから中古マンションに移り住みました。。
そのマンションの管理組合の理事長は、ある大学の先生をしている方でした。
わたしも順番で管理組合の役員をしていたある日のことです。
管理組合の用事があって、その理事長の部屋をお邪魔しました。
3LDKの一部屋がその先生の書斎でした。
部屋に入ってビックリ。
部屋の出入りドアと窓以外、天井まで全部本棚。
その本棚にはズラッと岩波新書がならんでいました。
先生は
わたしのたった一つの趣味が読書。
なかでも岩波新書はほぼ全巻揃っている。
教養を身につけるため、岩波新書は新刊が出ると全部買って読むようにしている。
ジャンルは問わない。
と言ってました。
たしかに大きな本屋でもこれだけ岩波新書は揃ってないでしょう。
それだけ壮観でした。
わたしは、先生の書斎を見て、「本に囲まれたこんな書斎がほしい」と思うとともに、何故かその時高校の物理の先生を思い出していました。

丸山眞男著「日本の思想」岩波新書

戦後日本を代表する政治学・思想史学者、1996年に82歳で没。
本書は1961年に刊行された半世紀以上前の本です。

内容

目次としては
Ⅰ 日本の思想
Ⅱ 近代日本の思想と文学
Ⅲ 思想のあり方について
Ⅳ 「である」ことと「する」こと
なんか読みすすめることができそうな内容に思えます。

本書にチャレンジした経緯

わたしの夢は「岩波新書で書斎の本棚を埋め尽くす」ことでした。
実はわたしは、政治や思想という分野にはあまり興味はありませんでした。
したがって、岩波新書でもそれらの分野の本はついつい後回しになっていたのです。
わたしが、岩波新書の丸山眞男著「日本の思想」を手にとったのは、20年ほど前のことです。
その頃には本書はもう「古典」という扱いでした。
また岩波新書のなかでも「名著」と言われていました。
わたしの年齢もすでに40歳を過ぎており、ある程度の内容の本ならどんな分野のものでも理解できるという自信もありました。

いざ読み始めると・・・

甘かった。
目次でいうと
「Ⅰ 日本の思想」
のまえがきから読み始めてみたが全くわからない。
文章が理解できない。
思想史についての基礎的な理解がまったくないわたしには無理。
悔しいので「Ⅰ日本の思想」の60数ページを読んでみたが、もうこれ以上は時間の無駄、と断念。
わたしのゴクゴクささやかなプライドもぶっ飛んでしまいました。
わたしがつけている読書メモには
文章が難しすぎて内容が理解できず。これは私のせいではない。著者の文章が下手なのだ。もう途中で投げ出したが岩波新書なので一応とっておくが今後読むことはないだろう。
と理解できないのを著者のせいにしています。

その後のチャレンジ

丸山眞男著「日本の思想」
その後、50代で再チャレンジ。
このときは、読書好きの皆さんの書評などで、
「Ⅱ 近代日本の思想と文学」に入ると文章がわかりやすい
と言われていたので、頑張ってみました。
そして、理解不能、あきらめました。
さらに60代の半ばを過ぎ、再々チャレンジ。
どうせ理解できないだろう、と気楽なつもりで読み始めましたが、やはり30ページほどで試合終了。
わたしの「日本の思想」との戦いは終わりました。
完敗です。

まとめ

読書好きの間でよく語られるのが、読み始めた本は意地でも読み切るタイプか、読み始めても難しかったりつまらなかったりした場合には読むのをやめるタイプ、の2種類に分けられる、と言われます。
昔はわたしも最後まで読み切るタイプでした。
その理由は、せっかく買った本なのにもったいないからです。
しかし年金生活に入り、書籍代も馬鹿にならず、最近では中古本の他、近くの図書館を利用し本を借りたりするようになりました。
そのせいでしょう。
理解が難しかったり、つまらない、と思った本は「今のわたしには向かない本」と勝手に認定し、スッパリ読むのをやめるようになりました。
現在のコロナ禍で、誰が触ったかわからない本はちょっとなあ〜、と思われる方もいるでしょう。
わたしの利用している図書館では、借りた本を何冊かまとめて紫外線(?)消毒できる装置があります。
残された貴重な時間、自分にとって面白いと思える本だけ読むのも一つの立派な読書法だと思っています。
 

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