大沢在昌著「北の狩人」歌舞伎町の闇に東北の素朴な青年が挑む!

読書
スポンサーリンク

こんにちは、たどんです。
連休中の暇つぶし。
久しぶりにハードボイルド小説を読みました。
大沢在昌著「北の狩人」上・下巻です。

簡単なあらすじ

日本一の繁華街、不夜城。
新宿歌舞伎町。
ここには1,000を超える暴力団事務所があるという。
そんな街に現れた青年。
青年の名は「梶 雪人」。
梶は10年以上も前に消滅した暴力団について聞きまわっていた。
梶と出会った新宿署のマル暴デカ佐江は、梶のカタギ離れした雰囲気に興味を持つ。
梶と佐江、水面下でうごめく暴力団の勢力争い。
梶の目的は?
そして梶に惹かれる可憐な女性「杏」がこの物語に一輪の花を添える。

著者「大沢在昌」

著者は、昭和31年生まれ。
わたしの方がやや年上。
しかし著者は、日本の代表的なハードボイルド・冒険小説・推理小説作家。

受賞歴

そしてその分野での受賞歴がまたすごい。
・ 小説推理新人賞
・ 日本冒険小説協会最優秀短編賞
・ 日本推理作家協会賞(長編部門)
・ 吉川英治文学新人賞
・ 直木三十五賞
・ 日本冒険小説協会大賞(国内部門)
・ 日本冒険小説協会大賞(国内部門)
・ 柴田錬三郎賞
・ 日本冒険小説協会大賞(国内部門)
・ 日本ミステリー文学大賞
・ 日本冒険小説協会大賞(国内部門)
・ 吉川英治文学賞
ほとんど総なめ状態です。

代表作

大沢在昌と言ったらなんといっても「新宿鮫シリーズ」でしょう。
多くの方が読まれたと思いますが、わたしも同じ。
わたしの認識では、ハードボイルド小説というのは、私立探偵の活躍を描くもの。
しかし「新宿鮫シリーズ」では刑事が主役。
刑事の破天荒な活躍を描くものであれば、わたしにとっては立派なハードボイルドです。
面白い。
一介の素人読者がささいなことにこだわることなどありません。
楽しければいいんです。

記憶に残る著作

でもわたしにとって大沢在昌の記憶に残る著作は「新宿鮫シリーズ」ではないんです。
1993年に講談社から刊行された
「走らなあかん、夜明けまで」
わたしと同じで気が弱く、東京で生まれ育ったサラリーマンが大阪に出張し、いろんな事件に巻き込まれる物語。
ハードボイルドではありません。
でも、大阪という街をよく知らなかったわたしは、「大阪は怖いところだ。仕事でも行きたくないな。」と強く思ったのを覚えています。
いつかサラッと再読してレビューしますね。

雪人 YUKITO

このブログ記事を書いている時点で、本書が漫画化されていることを知りました。
わたしは読んでませんが、なかなか評判が良いようです。
小説よりも漫画のほうが、という方は是非チェックしてみてください。

本書の感想

ちょっと現実離れ

新宿歌舞伎町。
わたしも若い頃は歌舞伎町でよく飲み歩いたものです。
夜まだ早い時間に、行きつけの店やチェーン店などで遊ぶのなら別に問題ありません。
ただし、深夜、裏通りや知らない店に不用意に入るのは要注意。
わたしの知人にもいわゆるボッタクリにあった者が何人もいます。
でもこれは歌舞伎町に限ったことではありませんよね。
そんな歌舞伎町に、秋田から出てきた青年が、暴力団のことを聞きまわったりすれば、それこそ危険極まりない。
したがって、本書のストーリー設定はだいぶ現実離れしているとは言えますが、そのへんはあくまで小説です。
面白ければいいんじゃないでしょうか?

著者の描く純愛が👍

それから、大沢在昌の小説には、よく男女のラブストーリーが同時進行していきます。
ハードボイルド小説ならではの暴力的なシーンも出てきますが、結構過激な暴力シーンに比べて、ラブストーリーは結構ピュアなものが多く、読後感も爽やかです。
余談になりますが、文中に出てくるかりんな女性「杏」が、女優の杏ちゃんに重なってしまいました。
というのも、この記事を書いているのが、杏ちゃんの旦那の東出昌大が浮気し、芸能界では離婚が取り沙汰されている時期だからです。
わたしは男ですが、この問題、どうしても東出昌大の味方をすることはできません。
杏ちゃんには、子供のためにも今後女優として頑張ってほしい。
渡辺謙の血を引いた素晴らしい役者だとおもいます。
応援します。

主人公がスーパーマンじゃない

主人公が人並み外れた武道の達人で、悪い奴らをバッタバッタ!
そういう小説も好きです。
でも本書の梶雪人はそこまでじゃない。
現実味、人間味があってちょうどいい。
「新宿鮫シリーズ」の主人公もそうですが、著者のお得意のパターンなのかもしれません。

こんなヤクザいるの?

ヤクザ。
怖いですね。
でも、半世紀以上も生きてきて思うのですが、自分がまっとうに生きていればヤクザ屋さんに関わることなどまずありません。
だからわたしには、ヤクザの世界のキッタハッタなんぞは映画や小説の中のことのように思えます。
ヤクザよりも、一見普通に見えるが何をするかわからない、ちょっと頭のおかしい人のほうがよっぽど怖い気がします。
また、わたしと同世代でも、すぐキレる御老体がいます。
気をつけましょう!

まとめ

定年後、仕事で縛られる時間よりも自由に使える時間が増えてきます。
他人様に迷惑をかけなければ何をしてもよい。
人生最高の時間ですよね。
インドア派のわたし。
これからも、読書、映画、時代劇、ちょっとだけ御朱印や旅行、楽しく過ごしていきます。
あとはちょっとのお金があればなあ〜。
また楽しい情報があったら皆さんに提供していきますね。

Follow me!