司馬遼太郎著「功名が辻」内助の功といえば山内一豊の妻・千代

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こんにちは、たどんです。
今回は、司馬遼太郎著「功名が辻」の紹介です。
司馬遼太郎氏の著作はかなり読み込んでいますが、当ブログで紹介するのは初めてです。
今回の「功名が辻」を皮切りに、面白い小説をドンドン紹介していきたいと思っています。

簡単なあらすじ

岩倉織田家の重臣の家に生まれた山内一豊。
岩倉織田家は織田信長に滅ぼされ、父と兄を失う。
山内一豊は浪々の身となるが、仇敵でもある織田信長に仕えることになる。
天下統一を目指す織田信長の軍勢の中で「ぼろぼろ伊右衛門」と呼ばれ、陰で笑われていた山内伊右衛門一豊のもとに、美しい娘千代が嫁いできた。
婚礼の夜、千代と一国一城の主となることを誓う。
その千代の内助の功もあって、一豊は出世の階段を登りだす。
織田信長、豊臣秀吉、徳川家康に仕え、長浜城主、掛川城主となり、その後土佐藩主となった山内一豊と千代の生涯を描く。

内助の功

「内助の功」といえば山内一豊の妻・千代のことである、ということは私も知っていました。
山内一豊がまだ織田信長の一家臣であったころ、一豊に嫁いできた千代が、夫である一豊のために、嫁入りの持参金で高価な馬を買い、その馬が織田信長の目にとまり出世の手助けとなった、ということです。
何でも江戸時代の昔からこの物語は語られていたそうです。
真偽のほどはわかりません。
山内一豊の妻・千代の他にも、同時代を生きた豊臣秀吉の正妻「ねね」なども内助の功を発揮した一人でしょう。

NHK大河ドラマ

内助の功もあって、土佐藩主という一国一城の主となった山内一豊ですが、その山内一豊を主人公にした時代小説はあまりありませんでした。
1965年(昭和40年)に初版の本作は、山内一豊を描いた代表的な小説と言えるでしょう。
本作の刊行により「功名が辻」が、1966年、1997年、にテレビドラマ化されました。
その後、2006年に、NHKの大河ドラマとして「功名が辻」が放映され、このときの主演が、
・ 山内一豊〜上川隆也
・ 妻・千代〜仲間由紀恵
でした。
この大河ドラマのヒットにより、「功名が辻」もさらに有名になったような気がします。
また、原作のようにやや優柔不断で不器用な一豊を上川隆也、天性の明るさと女性ながらも政治的情勢を的確に判断できる妻・千代を仲間由紀恵、それぞれが見事に演じています。

山内一豊の人物像

ただ、司馬遼太郎の作品やその作品に基づく大河ドラマにより、山内一豊という人物が、
優柔不断、不器用、気が小さい、愚図
というまるでダメ男の典型のように世間に周知されてしまったような気がします。
果たして本物の山内一豊はどんな人物だったのでしょうか?
この件について、以前、山内一豊の子孫が
一豊は、武士としても藩主としても秀でており、司馬遼太郎氏の小説は創作に過ぎない
と反論していたのを聞いたことがあります。
自分の祖先を悪く言われれば面白くないのは当然でしょう。

時代小説の醍醐味

時代小説の醍醐味、面白さといえば、やはり出世物語でしょう。
アメリカでも「アメリカンドリーム」というように、自由の国アメリカで、自らの努力により成長し、夢をつかむ、というドラマや映画が人気です。
我々日本人も同じですよね。
物語としては、もともと大名の後継ぎとして生まれた徳川家康よりも、低い身分から関白まで上り詰めた豊臣秀吉の生き様のほうが面白いのはそのためでしょう。
ただ、これは私の個人的な感想ですが、出世物語で面白いのは、努力して出世する過程です。
上り詰めてしまうともうあまり面白くない。
豊臣秀吉の「太閤記」も面白いのは、本能寺の変の後の「中国大返し」あたりまででしょうか。
本作「功名が辻」についても、面白いのは最初の一国一城の主である長浜2万石の領主となるまでですかね。
土佐藩主となってからの、長宗我部氏の旧臣による反乱や武力制圧などは、山内一豊の男を下げるような気がしてあまり面白くありませんでした。

司馬遼太郎という作家

司馬 遼󠄁太郎(しば りょうたろう)
1923年(大正12年)〜1996年(平成8年)
代表作として
・ 梟の城
・ 竜馬がゆく
・ 燃えよ剣
・ 国盗り物語
・ 坂の上の雲
などがあり、ハズレはありません。

受賞歴

司馬遼太郎の受賞歴がまたすごい。
主なものとして
・ 「梟の城」で直木賞
・ 「国盗り物語」「竜馬がゆく」で菊池寛賞
・ 「世に棲む日日」で吉川英治文学賞
があり、その他数え上げたらきりがないほどです。

エピソード

昔、私が兄からよく聞かされたのは、
司馬遼太郎という作家は、小説1冊書くのに、神田の古本屋街にトラックで乗り付け、荷台一杯に資料を買い、全部に目を通してから小説を書き始める。
という話でした。
後になって、兄の話がまんざら嘘ではなかったことがわかりました。

司馬史観

司馬遼太郎氏の小説の書評などを見ると、よく「司馬史観」という言葉が出てきます。
私ははじめ「司馬史観」ってなんだろう、と思ってました。
決まった定義などないみたいですが、要は
司馬遼太郎氏の歴史の見方・考え方
ということでしょう。
収集した資料をコピペしただけならば「史観」などは入り込む余地はありません。
しかし、その資料と資料を埋めていく文章・言葉、ここにどうしてもその作家の意見や思惑が入り込んできます。
「坂の上の雲」にしても「竜馬が行く」にしても、主人公が文中で話す言葉や考える内容は、全て作者の創作ですよね。
ということは、どうしても自分の歴史に対する見方・考えの方向に文章が流れていく。
仕方のないことです。
私は誰の小説を読むにしても、書いてある内容が100%史実に合致してるなんて思ったことはありません。
読んで楽しませてくれればそれで満足なんです。
今後もあまり難しいことは考えず、読書を楽しみたいと思っています。
ただ、司馬遼太郎氏は、第2次世界対戦で、陸軍の将校として戦車に乗り、軍の中で不合理なこともかなり見てきたようです。
したがって、どちらかといえば昭和の時代を暗い時代としてとらえているような気はします。
反面、明治時代の小説を読むとなんか明るいんですよね。
明治→明るい
昭和→暗い
これも司馬史観なんでしょうか?

まとめ

まあいろんな意見はあるでしょうが、司馬遼太郎の小説。最高です。
どの小説をとっても先ずハズレはありません。
今後も機会があれば、なるべく再読し、書評をアップしていきたいと思っています。
なお、私のつけている読書記録には、「功名が辻」について
山内一豊とその妻千代の物語、書き出しからなかなかおもしろい。こういう出世の物語は読んでワクワクする。
なかなか面白いので次々と読んでしまう。やはり司馬遼太郎はうまい。
関ヶ原の場面まで来て、一豊があまりにも頼りないので面白くない。こんなあほだったのか?
最後をもう少しなんとかしてほしかった。
などと書いています。
頼りない亭主を支える聡明な妻。
私のように、武士はこうじゃなくちゃ、と一家言をもっている人にとって、「功名が辻」は、山内一豊の物語というよりも、千代の物語、と割り切って読まれたほうが良いかもしれません。
 

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